となりの経営工学科

現役早大生が経営工学について紹介しています。その他数理科学、学内行事、就活、オススメの本についても書いています。

攻略!早稲田大学・理工学部の入試対策法~化学編~

この記事は受験生向けです。

 

早稲田3理工学部を目指す受験生に送る入試対策記事の第3弾は化学ですです。

第1弾は数学、第2弾は英語です。未読の方はこちらもあわせてどうぞ(数学の勉強法なども紹介しています)。

industrialengineering.hatenablog.com

industrialengineering.hatenablog.com

 

問題数が多く、素早い計算力を求められる早稲田大学の化学ですが、今回は得意科目選考:化学で合格した頼もしい助っ人(化学の鬼)に協力してもらっています!

得意科目選考とは、学科が指定する科目で特に優れた能力を示したと判定された受験生を総合点が合格点に達していなくても合格とする選考方法のことです。(出典:https://www.waseda.jp/inst/admission/undergraduate/system/general/

この記事で早稲田の化学で合格点を取るための力と技を身に付けましょう!

 

基本情報

早稲田大学の理系学部は、基幹・創造・先進に分かれています。

入学試験は基本的に、数学、英語、理科(2科目)で行われます。私立大学で理科2科目で受験しなければいけないのは、早稲田大学慶應義塾大学だけです。

理科2科目は物理・化学の組み合わせが基本ですが、以下の学科を受験する場合は「物理・化学・生物」から2科目選ぶことが出来ます。

  • 基幹・学系Ⅰ
  • 基幹・学系Ⅲ
  • 先進・応用化学(化学必須)
  • 先進・生命医科
  • 先進・電気情報生命工 

 では、入学試験問題の傾向とその対策について述べていきます。

 

f:id:industrialengineering:20181111133624p:plain

入試問題分析と入試対策

まずは入試問題について問題構成や出題傾向を分析します。その後に入試対策や勉強方法などに関して個人的見解を述べていきます。

なお、分析や対策については、駿台予備校や河合塾などの講評を参考にしています。

試験情報

試験時間:理科2科目で120分

問題構成:3題60点。1題は選択式の小問集合、2題が記述式。

入試分析

詳しくはこちらを読んでください。私の分析よりも駿台の方が(たぶん)信用できます。

www2.sundai.ac.jp

 

化学の試験で気を付ける事

まずは早稲田の数英語で抑えるべきポイントについて解説していきます。

物理・生物との時間配分

 理科の試験科目では「物理・化学・生物」の中から2科目(各60点、計120点満点)を120分で解かなければいけません。

単純計算で化学に割ける時間は60分ですが、もう1つの科目の得意不得意のバランス、その年の難易度を踏まえて臨機応変に時間配分を決めることが重要です。

化学は分量・計算量ともに多い問題が頻出であり、半分以上の時間をかける人も多くいます。

しかし1つひとつの問題の難易度はさほど高くありません。充分な量の問題演習を積んでいれば60分以内での高得点を狙うことが可能です。化学の点数をを60分以内で如何に高めることが出来るかが理科試験攻略の鍵とも言えるでしょう。

 

分量の多さと範囲の広さ

化学の特徴は大きく分けて2つ、分量の多さと範囲の広さです。

選択式の大問1の設問数は30(3問完答×10題)、記述式の大問2,3はそれぞれ10題ずつ、化学全体で50問前後の問題に答えなければいけません。

また、過去の試験を見ると化学全範囲から満遍なく出題されています。

1つひとつの設問は決して難しいわけではありませんが、沢山の問題を次々こなす高度な処理能力が要求されます。

その為に大切なのは、教科書と問題集を使い込み

  • 苦手分野・単元を残さない
  • 計算スピードと正確性を高める
  • 広範囲かつ正確な知識
  • 文章から必要な情報を見つける力を養う

ことが大切です。まずは典型問題に習熟しましょう。

他の私大のように、重箱の隅をつつくような問題は殆ど出題されません。

 

次からは出題範囲と出題形式にフォーカスし、テクニカルな話をしていこうと思います。

小問集合

毎年大問1に設定されている選択式の小問集合ですが、

回答数3つの問題数が10問、計算問題+知識、幅広い出題範囲、完答必須、、、

化学が得意でない人ほど点数が伸びにくい大問でもあります。

ポイントはさっさと終わらせること。

ここで出題されるのは基本的な問題・知識が主です。

理想は入試当日までに典型問題のスキを無くしておくことですが、本番で万が一解けない問題が出てきたら悩まずに後回しにすることをお勧めします。

とにかく時間最優先という意識を持ち、合否を大きく分ける大問2,3に割く時間を少しでも多く確保しましょう。

 

記述式

記述式である大問2,3は例年下記のような構成になっています。

  • 大問2:無機+理論の融合問題
  • 大問3:有機の総合問題

まずは気を付けるべきポイントとして記述式という出題形式が挙げられ、答えのみならずそこにたどり着くまでの筋道を簡潔に示す必要があります。記述式の良い点として部分点を得られる可能性がありますが、1問あたりの点数が非常に低いので早稲田の化学ではほとんど期待できません。答えを出すことに拘りましょう。

また、単語で答えるのではなく文章での解答を要求される問題も毎年出題されています。自分の知識を使って論理的に説明できる記述力も重要です。

記述解答は一夜漬けではどうにもならない部分なので、特に私大専願の受験生は過去問を活用し、記述式解答の型を覚えていきましょう。

 

大問2,3に関しても分量が多く出題範囲が広いのは変わりませんが、典型問題が設問の過半を占めていると感じます。ここで大きく点数を落としてしまうと化学での合格点獲得は絶望的ですので、確実にものにできるよう日頃の演習を積んでください。特に有機化学の構造決定は(一般的に)難しくないので、確実に点を取りたい設問です。

無機と有機が問題のメインテーマとなっている場合が多いですが、理論分野の力も必要不可欠です。高得点を狙う受験生ほど、まず土台となる理論分野の完成を目標に勉強してください。

 

勉強方法

最後に勉強法について解説していきます。

 

問題集の使い方

一通り教科書に目を通したらすぐに問題集に移りましょう。アウトプットをすることで理解が深まります。

問題集は難易度が異なるものを2~3冊用意するのが良です。

まずはセミナーなどの易しい問題集を利用し、知識や公式の使い方を学んでいきます。(同じようなレベルの問題集であれば何でも構いません)

 

次に重要問題集などの、典型問題+過去問を収録した問題集を利用し、実践的な力を養っていきましょう。このレベルの問題集での目標は、自分の知識を自由自在に扱えるようになることです。

 

早稲田の化学で合格点を取ることが目標ならば問題集はこの程度で構いません。ただし、この中に解けない問題がないくらいやり込むことが重要です。

先ほど述べたように苦手分野を残さないことが何よりも大切なので、教科書・易しめ問題集・応用問題集の3点セットを回し、スキのない勉強を行ってください。

 

化学で他科目の苦手をカバーしたいと考えている人は、もう1段高いレベルの問題集を使い8割り以上を狙うのも良いかもしれません。お勧めはこちらです。(卜部さん執筆の参考書はどれもお勧めできます)

 

資料集の使い方

資料集は視覚的に知識を獲得するのに効果的な本です。また、早稲田ではあまり使わないかもしれませんが、細かい知識の整理にも役立ちます。高校で教科書と合わせて配布されることが多いと思うので、活用していない人はぜひ使ってみてください。

 

また、資料集とは言えないかもしれませんが、超高校級の化学の知識を身に付けたいならばこちらの参考書で決まりです。ただし、よほど余裕のある受験生でなければ間違いなくオーバーワークになるのでうかつに手を出さないようにしましょう。 

 

過去問の使い方

出題傾向の把握、時間感覚を知る為に過去問演習は必要不可欠です。弱点分野の把握にも有効です。

重要問題集が8割程度完成してきたと感じたら過去問演習に移りましょう。

 

ただし過去問をやり過ぎるのは良くありません。1度出た問題が今年の入試で出るとは考えにくいです。過去問博士にならないように気を付けてください。

 

まとめ

この記事の要点を振り返ってみましょう。早稲田理工の化学入試で重要なのは、

  • 弱点分野を無くし、幅広い知識を身に付ける
  • 短時間で多くの問題に解答するための高い処理能力
  • 典型問題に習熟する
  • 記述形式への慣れ

です。そのほかにも勉強計画を立てたり、自分なりの戦略をもって試験に臨むのは、全ての入試に共通するポイントです。

受験勉強はつまらないかもしれませんが、目標に向けて努力するこの経験は必ず活きるはずです。頑張りましょう!

早稲田がアツイ季節が来た!早稲田祭開催間近!

段々と冷えてきました。そろそろ衣替え、コートも出さなきゃいけない時期ですね。

秋の本格化を予感させます。。。

 

秋?秋と言えば忘れてはいけないイベントが…!

 

そうです!早稲田祭です!

キャンパスには簡易テントが設置され始め、パフォーマンスサークルは練習に熱が入り、学生も大学もそわそわし始める季節です!

 

早稲田祭の開催まで2週間を切りましたので、告知させて頂きます!

来たる11月3日(土)、4日(日)

早稲田大学早稲田キャンパス、戸山キャンパス早稲田祭が開催されます!!

最寄り駅は東京メトロ早稲田駅です!高田馬場からは結構歩くから注意してください。

 

公式HPはこちら!センスが良い!

wasedasai.net

芸能人も多数いらっしゃいます!

声優や作家(京極夏彦さんも来ます!!)、俳優にモデル、アイドルに映画監督にユーチューバまで本当に多種多様!これだけゲストが多ければ気になる人もきっといるはず…

そう、早稲田祭はあなたの「好き」のどこかに必ず引っかかる学園祭なんです!

 

関東近郊でどこか大学の学園祭に参加しようと思っている皆さん、日本一の学園祭を体感してみませんか?

以前こちらの記事でもご紹介させて頂きました、2日間で計18万人も訪れる早稲田祭、運営予算が○○千万円とも言われる早稲田祭、、、

学生のアツいエネルギーに触れましょう!

見るところが多くてお困りのあなた、去年はこんな感じにおすすめコースがまとめられているの大丈夫です!直前までリサーチを続けましょう!

絶対ハズさない!早稲田祭理想のコース【11/4編】 | WASEAD

 

f:id:industrialengineering:20181021234302p:plain

因みに理工キャンパス(最寄駅は副都心線西早稲田駅)でも同じ日程で、理工展という学園祭が行われています!第65回理工展

科学技術実験や理工学系の展示など落ち着いて楽しめる内容が充実しているほか、ショッカーズなどの人気サークルの出し物を間近で見れる穴場でもあるのです!

 

受験生の皆さんも、この土日の半日くらいは勉強をお休みして、早稲田大学に遊びに来てみてください。きっと勉強のモチベーションが上がります。

勉強も頑張りつつ、早稲田を楽しんでくださいね。

 

 

そして、これは在学生向けの情報になるのですが、学園祭に先立ち11月1日(木)に体育祭が行われます!!

www.waseda.jp

参加申し込みが必要で、その期限が10月22日までとなっているので、参加検討中の方はお急ぎください!

 

今回はこの辺でお終いに!それではまた次回!

 

【第4回】イノベーション概論 インフィニティ・ベンチャーズ/17 Media Japan 小野裕史さん

連載第3回目ですが授業は4回目です!

前回記事の授業が第2回、3回の合併授業で、先週は講義がお休みでした!

前回授業はこちら→ 

【第2回】イノベーション概論~政策研究大学院大学副学長 角南篤さん~ - となりの経営工学科

 

では早速授業内容をまとめていきます!

 

 

ゲスト紹介

小野裕史さん

f:id:industrialengineering:20181021174233p:plain

東京大学院卒。学部時代は生物学に興味を持ち生物学科へと転向し、大学院に進学後コンピューターとプログラミングに傾倒していく。

1999年2月にNTTドコモより発売されたiモードに感銘を受け購入し、自らモバイルサイトを複数立ちあげたのを機会に、研究者から技術者への道へと移り、2000年4月日本IBM システムズ・エンジニアリング株式会社へ入社し、5ヶ月後シーエー・モバイルへの第一号社員として転職(現在のサイバーエージェント)。

2008年1月に同社専務取締役を退任し、日本と中国にてベンチャーに投資をするベンチャーキャピタルインフィニティ・ベンチャーズLLPを立ちあげる。

2009年8月より、35年間運動ゼロながら任天堂のゲーム機Wii Fitをきっかけにランニングを開始し、2011年に中国ゴビ砂漠、エジプトサハラ砂漠の250kmマラソンをそれぞれ完走し、2012年に北極点にてフルマラソンを完走し、南極アイスマラソン100kmの部にて2位。2013年にチリアタカマ砂漠の250kmマラソンにてチーム戦で1位になる。

宇宙への夢を実現すべく、ヴァージン・ギャラクティック社の宇宙旅行に申込済みで、432番目のシートを持つ。』

(出典:小野裕史 - Wikipedia

 

Wikiでは紹介されていませんが、17 Media という企業の日本法人の代表取締役でもあります。「17(イチナナ) Live」という言葉を聞いた事はありませんか…?

17 Live (イチナナ)| ライブ配信アプリ | 17 Media Japan 公式

一般の人々が得意を活かしてライブ配信を行うアプリです!このライブではオンライン上で投銭ができ、何でも車を買えるほどの額を毎月稼ぐ人気ライブ配信者もいるんだとか…

そんなアツイ企業の日本代表を務める傍ら、マラソンで日本人初の世界1位に輝いたり、エンデュアランス馬術競技の世界選手権に日本代表として出場したり、アスリートとしても活躍されているんです!凄い!(エンデュランス馬術競技 - Wikipedia

そんな小野さんですが昔から運動をやっていたわけではなかったそう。

ラソンを始めたのは35歳から、エンデュアランス馬術競技にいたっては、馬に乗り始める前に日本代表を目指すことを宣言し(その時の絵馬を見せてくれました!)、実際に2年で日本代表になってしまったんです!

授業の冒頭ではこれらの話を紹介してくださり、自ら積極的に活動することで未来を変えることが出来ることを示してくださいました!

 

因みにブログもあるので一読あれ

hiro-ono.jp

 

f:id:industrialengineering:20181021231348p:plain

本題

科学技術の驚くべき発展のおかげで、我々の生活は日進月歩で便利になっています。同じような目覚ましい変化は人口の増加についても言えますね。

変化のスピードが加速することで、我々が生きる現代はかつて経験したことの内容な時代へと突入しています。

未来は激変の時代へ

ICT革命、computing、connect

今の時代を象徴する3つのキーワードです。

情報通信技術の進歩により、我々はより大量の情報を瞬時にやり取りできるようになりました。小野さんが代表を務める17 Media もまさに、情報通信技術の進歩によりスマホ1台で全国にライブ配信を行えるようになったのです。

最近の話題と言えば5G通信ですね!2020年の運用がささやかれています…今から楽しみです。この記事とか面白かもしれません。

次世代通信「5G」1年前倒しは、どれだけヤバい事なのか – MONEY PLUS

 

computing。演算能力が飛躍したことで、たくさんの情報を一度に処理できるようになりました。自動運転技術やロケット打ち上げはその恩恵を大きく受けている事業の一つでしょう。かつては何十年もかかった計算が今では瞬時に行えるようになったのです。

 

connect。ICT革命とcomputingによって、我々は瞬時に友達とつながることができ、いつでもどこでも世界中の情報にアクセスできるようになりました。今やSNSをやっていない若者を探す方が難しいです。FacebookGoogleの登場により、科学技術が人と人、人と情報の関わり方に変化をもたらしたのです。

 

これらの技術はこうして記事を読んでいる間にも発展しています。今日の常識が明日も常識であることは保証できない時代です。

そんな時代の生き方、とりわけ楽しく生きるコツについて小野さんが教えてくれました。

 

激変の時代の楽しみ方

「アクション失くして未来は変わらず」

自分から人生を変えようとしなければ人生は変わらない。自分しか自分の未来を変えられない。

 

「世の中の変化を”自分事”にする」

自分とは関係ないと思うことは、自ら世界を狭めること。

 

「常識をアップデートしていく。自分自身をアップデートしていく。」

実践し、実感したうえで、これまでの常識を修正していく。

 

「先を予測し、自分なりのvisionを持つ」

 

「チャンスは待つのではなく、自ら取りに行け」

行動して初めて経験が生まれて、未来が変わる。

成功を引き寄せる技術はない。成功の必須条件は、このようなマインドを持つこと。

 

「成功したければ、挑戦の回数を倍にしろ」

成功は運の要素がおおきい。運はコントロールできないが、挑戦の回数はコントロールできる。

 

「進み続けていれば、必ず変化が起きる」

どん底と感じていても、行動していれば必ず景色が変わり、チャンスが生まれる。

 

「出来ない原因を探さない。そこからどうするかを考える。」

 

終わりに

学生に向けて、とてもたくさんの熱いメッセージを送ってくださいました!

人生や生きるという事についてもすごく響く言葉ですね。激動の時代だからこそ自ら積極的にリスクを取り、果敢にチャレンジしたいものです。

 

私用で第5回の授業についての連載はお休みさせて頂きます。申し訳ございません。

 

今回はこの辺でお終いに!それではまた次回!

 

【第2回】イノベーション概論~政策研究大学院大学副学長 角南篤さん~

連載第2回になります!

起業家マインドについてまとめてある第1回の記事はこちら

【第1回】イノベーション概論~VISITS Technologies 松本勝さん~ - となりの経営工学科

2回目の授業は虎ノ門ヒルズの Venture cafe tokyo で開催されました。おしゃれ!!

Venture Cafe Tokyo | Venture Cafe Tokyo - Connecting innovators to make things happen

因みにこの授業前には若手起業家によるパネルディスカッションが行われており、学生のみならず社会人の方も数多く参加されてました。

 

では、授業内容をまとめていきます!

 

 

ゲスト紹介

角南篤さん

『1988年、ジョージタウン大学School of Foreign Service卒業、89年株式会社野村総合研究所政策研究部研究員、92年コロンビア大学国際関係・行政大学院Reader、93年同大学国際関係学修士、97年英サセックス大学科学政策研究所(SPRU)TAGSフェロー、2001年コロンビア大学政治学博士号(Ph.D.)取得。2001年から2003年まで独立行政法人経済産業研究所フェロー。2003年政策研究大学院大学助教授、2014年教授、学長補佐、2015年11月より内閣府参与(科学技術・イノベーション政策担当)2016年4月より副学長に就任(現在に至る)。

その他、文部科学省 科学技術・学術審議会委員、外務省 科学技術外交推進会議委員、内閣府総合科学技術・イノベーション会議基本計画専門調査会委員、等。』

(出典:http://www.grips.ac.jp/list/jp/facultyinfo/sunami_atsushi/

 

長い!!何をやっているか一言で表すと

「政策の立場からイノベーションについて研究」

です。

イノベーションと言うと科学技術などを思い浮かべますが、理工系の我々とは異なる観点からイノベーションを見ている方になります。

 

経歴も変わっていました。

岡山で生まれ、中学生の頃にでカナダに剣道をやりに単身留学。

英語が分からないまま現地の名門高校に進学。

大学への進学ははエンジニアリング、ビジネス、外交で悩み、結果外交の道へ。

科学技術に興味を持ち、政策論とイノベーションをテーマに研究。

日本の野村総研に就職するも2年でやめてコロンビア大学政治学の博士を取得。

 

本当にユニーク人物です!

さて、角南さんはInclusive Innovationと持続可能な開発目標(SDGs)」について講義をしてくださいました。

その内容をまとめていきます!

 

本題

この章は3部で構成されています。

 

Disruptive & Inclusive Innovation

Disruptive とは「破壊的な」という意味です。Disruptive Innovation とはその名の通り、科学技術の登場による、既存の何かを破壊する影響力の大きいイノベーションを指します。例えば蒸気機関やインターネットのことです。

対して Inclusive は「開放的な」という意味を持ちます。では Inclusive Innovation とは何を指すのでしょう。

分かり易く言うと、仕組みの変化だそうです。ビジネスモデルのイノベーションとも言えます。UberAirbnbが良い例ですね。

このイノベーションは誰にでも起こすことが出来るんです。最先端の科学技術を生み出す必要はありません。社会課題の解決方法について真剣に考える。

使命感と熱意を持って課題解決に取り組めば、我々は誰でもイノベーションを起こすことが出来るのです。

もっと色々なものに触れて、世の中の問題点を見つけていきましょう。東京は恵まれ過ぎていて変化よりも現状維持の選択をしてしまいがちです。

「変えなきゃいけない!」と思うような環境に身を置く事こそが Inclusive Innovation への第一歩になるのでしょう。

 

Inclusive Innovation の良い例としてもう一つ、沖縄のコザにあるスタートアップカフェが取り上げられていました。興味深い場所です!

http://startup-cafe.okinawa/

 

Society5.0

f:id:industrialengineering:20181005184907p:plain

 

アベノミクスの重要なテーマでもある Society 5.0。Industry 4.0 から生まれる社会の事を指します。

Society 5.0 - 科学技術政策 - 内閣府

 

Society 5.0 で実現される社会。それはどんな社会なのでしょうか。Industry4.0 との具体的な違いは何なのか。それはこれから、われわれの手で作っていくのだそう。頑張りましょう。

 

ちなみに定義はこんな感じ。

イノベーションで創出される新たな価値により、地域、年齢、性別、言語等による格差がなくなり、個々の多様なニーズ、潜在的なニーズに対して、きめ細やかな対応が可能となる。モノやサービスを必要な人に、必要な時に、必要なだけ提供されるとともに、社会システム全体が最適化され、経済発展と社会課題の解決を両立していける世界。』

結構ふわふわしてるな~、なんて個人的には思っちゃいますが、日本が打ち出したこのコンセプトには、世界中から期待が寄せられているそうです。

 

ところで、赤字部分が JIT(Just In Time)の思想と共通する部分ですね!全体最適とかも経営工学と関連があるワードです。すごいぞ経営工学!(無理やり感)

 

SDGs

SDGsとは、『持続可能な世界を実現するための17の目標』です。(出典:SDGsとは? | JAPAN SDGs Action Platform | 外務省

ãSDGï½ãã®ç»åæ¤ç´¢çµæ

 

恥ずかしながら私はこの授業を受けるまでこの言葉を知りませんでした。

かつてMDGsという途上国を対象にしたプロジェクトがあったそうです。これが成功したので今度は世界規模での課題解決に取り組む運びとなっただとか。

f:id:industrialengineering:20181005185455p:plain

最初の画像がSDGsのもので、真上の画像がMDGsの物になります。課題の内容が異なっている事が読み取れますね。

勿論日本もSDGsに貢献しようと取り組んでいます。しかし日本には資源がありません。ここでSociety 5.0が再登場。日本は科学技術イノベーションSDGsに寄与しようとしています。

それを実現する鍵が Inclusive Innovation というわけです。3つのキーワードが全て繋がりましたね。

Inclusive Innovation は日本の発展を助けるだけでなく世界の課題解決にも貢献するのです。世界中が日本のSociety 5.0に期待するのも納得ですね。

 

おわりに

イノベーションは確かに大切です。でもイノベーションを起こすことが目的ではありません。大事なのは社会課題を解決することだと思います。イノベーションはその手段にすぎません。

 

私達はイノベーションの起こし方を学ぶよりも前に(ましてや徒に起業するよりも前に)、社会に目を向けて本当に解決しなければならない課題は何なのか、ちゃんと考える必要がありますね。

 

今回はこの辺でお終いに!それではまた次回!

ブログ運営報告~アクセス解析編⑤・9月実績~

いよいよ10月です!秋学期も始まりました!心機一転頑張っていきましょう!

このブログも誕生してから半年が経過しました!

更新は不定期です、我ながらよく続いていると思います…

 

さてさて、先月に引き続き今月もうれしい報告があります。

 

9月の月間アクセスが5,000を突破しました!

 

夏休みの間は余り更新できなかったのですが、アクセスの方は安定して推移しております。引き続きゆるりと続けていくのでどうぞよろしくお願い致します。

 

先月のアクセス解析はこちら→

ブログ運営報告~アクセス解析編④・8月実績~ - となりの経営工学科

f:id:industrialengineering:20180901094437p:plain

 

アクセス数

下の画像は9月30日23時59分に撮影したものです。

f:id:industrialengineering:20181001000827p:plain

1週間のアクセス数は1,300弱、1ヶ月のアクセス数は5,000とちょっとです。

棒グラフを見てもわかる通り、ブログの更新とアクセス数の間の関係性はなくなってきています。

アクセス元サイトのTwitter比率も低下していますし、このブログが徐々に独り立ちしているのかな、なんて。

 

グーグルアナリティクスだとこんな感じの結果が分かります。

f:id:industrialengineering:20181001235200p:plain

やはり夜に見てくださる方が多いようですね。

 

 

f:id:industrialengineering:20181001235235p:plain

 アクティブユーザーも徐々に伸び始めています。

特に意識するわけではありませんが、これからはユーザー維持率を一つのKPIとして、読者の方々が定期的にチェックしたくなるようなコンテンツの発信を心がけていきます!

 

アクセス元サイト

アクセス元サイトでは「このブログに辿り着いた人は、どのサイトから来ているか」が分かります。括弧内は先月からの変化を表しています。

1位:56% Google (+0%)

2位:21% Yahoo!検索 (+0%)

3位:10% hatenablog-parts.com (+0%)

4位:8%   Twitter (+0%)

 

先月とほとんど変化がないので、こんな割合で今後も安定するのかなと思っています。

Twitterからの流入では国際学会についての記事が人気のようです。ご協力して頂いた先輩方、ほんとうに有難う御座いました!

カザフスタンでANQ!~国際学会に行ってきました~ - となりの経営工学科

カザフスタンのチョコレート、美味しかったです!

 

宣伝

秋と言えば文化祭シーズンですね!以前書いた記事では都内でオススメの文化祭をピックアップしました。

industrialengineering.hatenablog.com

 

今週末は東京工業大学で文化祭が開催されます。人気声優がゲストで訪れたり、東工大ならではのハイレベルな科学に触れることが出来ます!

 

そして、10月2日は早稲田でもお祭りがあります。

その名も前月祭

学園祭まで1カ月を切ったこの時期を盛大に盛り上げようと、明日18時15分から大隈講堂でたくさんのパフォーマンスを見ることが出来ます!要チェックです!

twitter.com

 

おわりに

検索では1ページ目に表示されるようになり、経営工学について解説した記事は安定したアクセスを稼げるようになってきました。

この調子で経営工学の認知度が少しでも高まるといいな~

10がつも引き続きこの調子で頑張っていきます。

一緒に運営してくれる学生も随時募集しています!

 

今回はこの辺でお終いに!それではまた次回!

 

【第1回】イノベーション概論~VISITS Technologies 松本勝さん~

秋学期始まりました!履修も概ね固まったと思いますが、ちょっと待った!まだ第三次登録が残っています。

私の方から是非ともお勧めしたい授業があるのです!

この記事では第1回の授業について大まかに書くので、もし内容を読んで興味を持ったら履修してみてください。

このシリーズは、私が授業で学んだ事をアウトプットする事が主旨となっています。

 

 

授業紹介

 授業名イノベーション概論α/β:次世代イノベータのためのエッセンシャルズ

場所:理工キャンパス53号館401

時間:木曜6限

単位数:各1

レベル:初級(1年生から履修可能)

授業概要

『イノベーター、ベンチャーキャピタル、及び将来発展すると見込まれるビジネスの先端に関わっている経営者、研究者、有識者をゲストスピーカーとして招聘し、新規事業の創出や先端的新産業の振興に挑戦できる人材に必要な知識とマインドセットに触れるとともに、そこから産学界におけるイノベータ―に必要なことは何かを学ぶ。』

到達目標

『起業(スタートアップ)やリーディンング企業の新規事業立ち上げや新しい学問分野の開拓に挑戦するマインドセットに触れ、ビジネス、学問に関係なく新しい途を切り拓く人材に必要なことは何かを修得する。』

(出典:シラバス検索 - シラバス詳細照会

 

この授業をオススメする理由は2つ。

1つ目は、普通金を払わなければ会えないような方々から、とても近い距離で生のお話を聞くことが出来る事。

起業のエッセンスを学べるのは勿論のこと、キャリアについての考えも深まる授業です!就職を意識し始めた大学2,3年生には特におすすめです!

2つ目は、試験がない事。出席と600自程度のレポートを仕上げれば単位が貰えます。

 

それでは第1回の講義内容に入りましょう!

 

ゲスト紹介

f:id:industrialengineering:20180929140958p:plain

松本勝さん

VISITS CEO/Founder

東京大学大学院工学系研究科修了後、ゴールドマンサックス入社。株式トレーダー、金利デリバティブトレーダー(ヴァイスプレジデント)を経て、2010年、人工知能を用いた投資ファンド設立(2014年Exit)。2013年には、大学生向けキャリア教育プラットフォーム「キャリア大学」を立ち上げ、日本最大規模まで成長させる。2014年、VISITS WORKS(現:VISITS Technologies)設立。シリコンバレーと東京を拠点に世界に挑戦する。NPO法人キャリアクルーズ理事長、文部科学省事業委員、早稲田大学グローバルアントレプレナー事業外部評価員を兼任。2010年、アームレスリン全日本選手権優勝。』

(出典:Profile | VISITS

 

学生時代は筋トレに明け暮れていたようで、授業で紹介された当時の写真はゴリゴリのマッチョでした!

東大院を卒業した後はゴールドマンサックスへ。いったんUBSに移った後再びゴールドマンサックスに戻り、退職後ファンドとNPO設立を経てベンチャーの世界へ。

松本さんが話す言葉からは優しさと強さが感じられ、特に学生の質問に真摯に答えている姿が印象的でした。

 

本題

ここからは授業内容のうち特に重要と思われる点をピックアップしてまとめていきます!授業内で解説された内容は『』で囲って表現しますね。

アメリカの企業に対する姿勢

松本さんはアメリカの企業に対する姿勢・文化を『フィードバック文化』と表現していました。これは『何かアイディアを持っている場合、どんどん人に話して活発に意見交流を行う』文化だそうです。

対して日本だとアイディアを盗まれるのを恐れて話さない人の方が圧倒的に多いのだとか…

 

また、『シリコンバレーの起業家ははじめから世界での成功を目指している』と話していました。視座が高さが日本とは違うのだとか…これが、日本から世界的に成功するベンチャー企業が出ない理由の一つだとおも仰っていました。

 

更に日米の大企業の違いについても言及していていました。『アメリカの大企業はイノベーションに対して特に危機感を持っていて、自らの存在を脅かす企業はどんどん買収していく』のだそう。

対して日本の大企業に対しては『日本企業はベンチャー企業の話を聞いておわり、具体的な行動に結び付かない、イノベーションを本気で起こそうとしていない』と、その問題点を指摘していました。

 

アメリカはベンチャー企業のエコシステムがちゃんとできているんですね。日本も若者に対して「起業は良いぞ」と言うだけでなく、文化を含めベンチャー企業が生まれる環境作りを進めていかなければなりませんね。

f:id:industrialengineering:20180930173347p:plain

仕事について

松本さんは若い頃の自分について『日々成長している実感を得たい』と仰っていました。なので激務の外銀をファーストキャリアに選んだそう。

その松本さんが仕事とキャリアについてこのように述べていました。

『同じ仕事をしていると1年目は超大変だけど、2年目から先は徐々に慣れてきて仕事が楽になり、給料も上がってくる。楽になるってことは成長が鈍化しているのと同じなんだけど、給料が上がるから9割の人はこの現状に満足してしまう。このタイミングで現状を変えることが出来るかどうかが、40代50代でのどういう人生を歩むかの分かれ目になる。』

 

続けて日本と海外の違いにも言及しています。

『日本企業は社員の雇用は守るがキャリアは守らない(最近は雇用も守れてないけど)。欧米の転職文化は良い面悪い面あるけれど、日々成長できるようなシステムになっている。何を学び、何を目指しているのかを考えながら働く。』

 

これは大学生活についても言えますね(耳が痛い…)

日々の過ごし方の差が能力の差となってこれから先の人生を左右するのでしょう。私達も日々成長を目指して一生懸命生きましょう!

 

f:id:industrialengineering:20180930174419p:plain

 

学生へのメッセージ

授業の後半に学生に向けて沢山のメッセージを送ってくださいました。

 

1.ストレッチゾーンに自分を置く

『出来ないことから逃げない。出来ないことは成長するチャンス。逆にできる状態にある時は、もっと自分に負荷をかける必要がある』

2.外の価値観に触れる

3.ペイフォワードの精神を持つ

『ギブアンドテイクが基本だが、知識や人脈は人に挙げてもなくならない。寧ろ巡り巡って自分に還ってくる。』

4.ソーシャルグッドにコミットする

『顧客第二。まず社会的に正しい事を行う』

5.何かを創造する

『世の中にない新しい物を作る』

6.厨二病であれ

(自身の事を『究極の厨二病』と仰っていました)

 

おわりに

90分があっという間に感じる、面白くてとにかく熱い授業です!

自分を変えたいと思ってる人、何となく就活を行ってる人、働く意味が分かんない人、etc...起業家の熱い思いに触れてみませんか?

 

少しでも気になった人は来週の授業に出てみてください!(会場が変わっているのでシラバスで調べてください)

 

今回はこの辺でお終いに!それではまた次回!

カザフスタンでANQ!~国際学会に行ってきました~

 カザフスタン国際学会

弊研究室からは修士の学生が参加しました。私は参加していません。

 

今回の記事は、9月の19日,20日で行われたANQ(Asian Network for Quality)と、開催地カザフスタンについてのレポートです!

 

 

ãasian network for qualityãã®ç»åæ¤ç´¢çµæ

 

ANQとは

Asian Network for Quality とは、科学技術の進歩に貢献して人間の生活の質を向上させようとする、アジアの非営利団体で構成されるアジアネットワークです。品質管理分野における研究開発に特化しているようです。

 

毎年アジアのどこかで9月頃に開催され、第16回を迎える今年はカザフスタンでした!

 

カザフスタンってどんな所?

カザフスタン中央アジアに位置する共和制国家です。最大都市はアルマトイ。北にロシア、東に中国があり、世界で9番目に大きい国(日本の7倍の面積)なのですが、人口は1,800万人しかいません!

f:id:industrialengineering:20180928140656p:plain

国語はカザフ語で、「こんにちは」はカザフ語で「Сәлем」です…(どんな発音なんだろう)

主要通貨はテンゲ(Tenge)というらしいです。

(出典:カザフスタン基礎データ | 外務省

 

見所は首都などに多く素材するモスクやピラミッドのような建築物、グルメは麺料理や餃子のような食べ物がおいしそうでした!

カザフスタン観光について詳しく知りたい人はこちら

travel-noted.jp

 

そんなカザフスタンですが、海外旅行で訪れる人はそう多くないのではないでしょうか…?実際に2016年にカザフスタンに訪れた日本人の数は6,000人弱です(台湾は200万人弱)。

んー…少ない!

旅行で訪れる機会がなさそうなカザフスタンに、学会で行けるのが羨ましい!!(筆者は行ってないです…)

 

旅行記

ここからは実際にANQに参加した先輩にご協力いただいてお送りします。

 

ANQの旅は合計4泊6日、移動手段は飛行機です!直行便はないので、行きは韓国で、帰りはロシアで乗り継ぎました。

現地の人々はとても親切で、観光も楽しかったとか。

 

乗り継ぎのロシアの空港には、マトリョーシカがたくさん!

f:id:industrialengineering:20180928163705j:plain

 

ホテルは何と、インターコンチネンタル!外観も内装もびっくりするくらい綺麗です!

f:id:industrialengineering:20180928144814p:plain

 

f:id:industrialengineering:20180928144903p:plain

 

部屋も「さすが超一流ホテル!」という豪華さです(写真はありません)。

 

そして会場もインターコンチネンタル。広間を貸し切って研究成果を発表していきます。

f:id:industrialengineering:20180928165108j:plain

 

一人ひとりの発表はこんな感じだそう。結構緊張しますね…

f:id:industrialengineering:20180928165149j:plain

 

ブッフェ形式のランチ、豪華ディナーはどれも美味しかったそうです!

f:id:industrialengineering:20180928165221j:plain

 

閉会式の後にはパーティーがあり、写真のような生演奏もついていたそうです!

f:id:industrialengineering:20180928165242j:plain

 

学生は研究発表をやりつつ観光を楽しめたそうです!

安全性が少し気になるアトラクション(発射されたそうです)を体験したり、

f:id:industrialengineering:20180928165303j:plain

 

モスクや協会などを見て回ったそうです!

f:id:industrialengineering:20180928165410j:plain

 

感想

カザフスタンとても楽しかったそうです!

話を聞いていると、余計行きたくなってきました…

国際学会は、最先端の研究に触れられるだけでなく、様々な国の人との交流が生まれたりする貴重な機会です。観光もできるし良い事尽くし!

 

ここでご協力いただいた先輩からひと言…

「君も研究をバリバリ頑張り、一緒に国際学会を目指そうぜ!」

f:id:industrialengineering:20180928165442j:plain

 

今回はこの辺でお終いに!それではまた次回!