経営工学科に向いてる人って?~就職編~
今回はこちらの疑問に答えていきます!
「経営工学科に向いてるのはどんな人?」
色んな見方があると思うのですがここではひとまず、卒業後の進路や就職先から経営工学科に向いてる人を考えてみようと思います。
経営工学科への進学を考えている人もそうでない人も、やりたい仕事が決まってる在学生、或いは卒業後の進路に不安を抱いている学生も、この記事を読めば大丈夫です!
今回は私が所属する早稲田大学創造理工学部経営システム工学科の卒業後進路を紹介していきます!
今回使用したデータは上記の物になります。
因みにこちらのホームページ、2018年の4月2日にリニューアルされました。
以前の古臭い歴史を感じるホームページから、オシャレなデザインに変わってます。やったね。
学部生のその後
学部と修士の違いがよく分からない、という人のために解説します!
大学生にも実は複数の種類があるんです。
まず基本的に入学後4年間は学部生として生活します(留年や休学をすると更に伸びます)。
学部生時代の勉強は、専門領域の基礎知識を身に付けることが主な目的です。
中には飛び級して3年で学部生を終える人もいれば、運動やアルバイトに力を入れて学部を5,6年経験する人もいます。
さて、学部生の4年間が終わると全員一度卒業して、その後は
- 就職して社会に出る
- 大学院に進学し、大学院生として専門的な勉強を2年やる
と別れていきます。
進学か、就職か
理系学部生にとって大学院進学はよくある選択肢です。
大学院での勉強は、専門領域の深い知識と・技術の獲得を目的としており、プラス2年多く勉強(研究)することで特定分野のスペシャリストとなることが期待されます。
この就職 or 進学の分岐では一般的に「文系学部生の多くは学部卒で就職するが、理系学部生は大学院に進む割合が高い」と言われています。
詳細なデータは割愛しますが、こちらの文部科学省学校基本調査-平成29年度結果の概要-をチェックしてもらえると、その事実が分かります。
早稲田大学ですと、理系学部生は8割前後の人が大学院に行くのではないでしょうか。
多くが大学院に進学する理系学生ですが、学部で就職するメリットは大学院生に比べて2年間早く社会に出ることが出来るので、その分お給料を早くもらえたり、社会経験を多く積むアドバンテージなどが挙げられます、
「研究に向いてないから」や「研究が大変でこれ以上やれない」という理由で就職する人も少なくありません。
反対に、 大学院を出て就職するメリットは、初任給が学部卒より高い、専門職への就職可能性が高まる、などが考えられます。
初任給について学部卒よりいくら高くなるかというと、一般的な日本企業だと月給で約3万円前後、コンサルや外銀などで年収で30万前後くらいでしょうか。
他学科より低い?経営工学科の進学率
理系学部生は文系学部生に比べて大学院に進学する割合が高い、ことは分かりました。
では、経営工学科の大学院進学率について見てみましょう。
以下の画像は、経営システム工学科における学部生の進路になります。
左側が2016年度の、右側が2013年度のモノになります(サイトリニューアルにより表示形式も変わったみたいです)
直近のデータですと約36%の人が大学院に進学するようです。
2013年のデータでは54%となっているので、この3年で進学割合が18%も低下したことが分かります。
新卒市場が超売り手であることも、経営工学科の進学率を低下させてる大きな要因ですね。
理系学部で4割に満たないのは正直驚きです…
進学率比較のために、同じ創造理工学部の総合機械工学科を見てみると、大学院進学率は”およそ60%”
めちゃくちゃ忙しいことで有名な先進理工学部応用化学科の進学率は77%
さすが忙しいことで有名な先進理工学部・応用化学科!…ってこれ2005年の情報ですね。古い…いい加減更新したほうがいい気がします。
どうやら経営システム工学科は、理系の中でも特に進学率が低い学科のようです。
経営工学が「経営に関する諸問題を工学的アプローチで解決する」学問なので、活躍の場は広く用意されています。
学問を究めるよりも身に付けた知識を実社会で使いたい、という意識を持った学生が多いのでしょうね。
また、他学科と比較して「大学院進学率が当たり前」という空気も殆どないですし、大学3年の冬で「大学院に行くかはまだ決めてない」という人も結構います。
ということで、経営工学科は
「理系だけど速く社会に出て活躍したい」
「大学院に行くかは大学入学後に決めたい」
という人に特におすすめできる学科です!
就職先も多種多様!広がる活躍フィールド
まずは学部卒で就職した人だけを見てみましょう。
先ほどの画像を見ると就職先の業界は、理系らしい情報通信・インターネットの他にも金融・保険・証券が多いですね。
実際に経営工学科では、IT・ソフトウェア・数理科学に関する授業以外にも、経営や金融についての授業が結構多くあるんです。経営工学ということで、4大経営資源である「ヒト・モノ・金・情報」に関する事は一通り学べます。
どの業種の企業でも経営工学の知識が活きるポジションは必ずあるので、業種業界に縛られずに企業選びが出来るんですね。ということで、卒業生は様々な業種に進んでいきます!(税理士になったOBもいます)
ところで、2016年と2013年の就職先を比較すると、トレンドの変化がみてとれます。IT業界は勢いがありますね。科学技術の発展とIT業界の人手不足問題はまだ続きそうですから、今後もこの勢いはしばらく続くと思われます。
ところで、理系というとゴリゴリコードを書くエンジニアや、作業着を着て働く姿を想像するかもしれません。
確かにSE(システムエンジニア)や技術者になる人もいますが、経営工学科ではそれ以外の働き方も選ぶことが出来ます!
広告代理店や総合商社、ディベロッパーに就職する人も少なくないです。
勿論、専攻した知識を活かして品質管理やSCMの知識を活かしてメーカーなどに就職する人も多いです!
ということで、経営工学科は
「勉強内容で就職先を絞りたくない!」
「大学に入った後でやりたい仕事を選びたい!」
という人にもお勧めできます!
大学院生のその後
さて、ここからは大学院生にフォーカスしていきます。今回は博士課程は考えないことにします…実際まわりに全然いないし(汗)
さて、大学院に進むとより専門的な勉強が出来ます。学部生に比べ、深い知識や専門技術を身に付ける事が期待できます。
高度な・専門性を要求される職業につくことが出来る、他の学部生より高い評価を受けやすい、初任給が高い、などなど、大学院進学はメリットが沢山あります!
経営工学科の大学院
早稲田大学の経営システム工学科では3年秋に研究室配属があります。
そこから研究の土台となる勉強し、研究テーマを選び、専門的な学習を積み、研究をし…これを1年半の期間でやらなければなりません。時間的に結構きついです。
本格的な研究をしたいのなら是非大学院に行くことをお勧めします!
また、経営システム工学科(学部)は大学院で
- 経営システム工学専攻
- 経営デザイン専攻
に分かれます。(別れた理由には大人の事情などがあるらしい…)
幅広い業界!高い専門性!圧倒的に強い大学院就職
世の中には大学院を卒業した人しか募集していない企業や職種があります。研究開発職や、コンサルタントがその例です。(もちろん例外もあります)
それらでは、高い専門性・ずば抜けた問題解決能力などが要求されます。
2年間多く勉強している大学院生はその点が評価され、これらの職に就ける可能性が学部生よりも高くなると言えるでしょう。。
つまり大学院に進学すると、学部生ではチャレンジできなかった企業に挑戦できる、就職先の選択肢が増えるという利点が生まれるんですね、
さて、大学院生の進路を見てみましょう。
先ほどと同じく、左側が2016年度、右側が2013年度の卒業生のデータになります。
専攻によって就職先の割合が異なりますね。
こうして見ると学部生同様、大学院生も多種多様なフィールドで活躍していことが分かります。どこの業界でも通用する高い専門性を獲得できるのが、経営システム工学科の大学院の魅力と言えるでしょう。
大学院進学をすでに考えているのならば、
「業界を問わずに活かせるスキルを身に付けたい!」
「専門性が欲しいけど業界は限定したくない!」
という人に特に向いています!
まとめ
就職という大学の出口から、経営工学科に向いてる人を考えてみました。
幅広い業界・職種で活躍しているので、経営工学科に進んだから進路が限定されるという事はありません。
寧ろ「やりたい仕事とか全く決まってない」という人にうってつけの学科ですね。
個人的に好奇心旺盛だったり優柔不断だったりする人に向いてると思います。
「当てはまるかも…」と思ったら経営工学科を考えてみてください!
今回はこの辺でお終いに!それではまた次回!
勉強内容で見た”向いてる人”はこちら!
industrialengineering.hatenablog.com
在学生が語る「経営システム工学科を選んだ理由」はこちら