となりの経営工学科

現役早大生が経営工学について紹介しています。その他数理科学、学内行事、就活、オススメの本についても書いています。

2ヶ月で受かる!応用情報技術者試験の攻略方法

はじめに

この記事では知識ほぼ0の状態から応用情報技術者に挑戦する人に向けて、比較的短期間・低コストで負担感少なく合格するための方法を解説しています。

使う教材は参考書2冊+無料サイト1つ、期間は約2ヶ月

(事前知識がある場合や1日当たりの勉強時間を増やせる場合は、さらに短い期間で合格できるでしょう。)

私は大学こそ理系学部に属していましたが情報系には疎く、文系就職をしたため現在はITとは疎遠の生活を送っています。

そんな私ですが、応用情報は社会人になった後に取得しました。

そこでこの記事では、当時実践した時間もコストもあまりかけない勉強法を、応用情報に挑戦する

  • プログラミングに苦手意識がある理系学生
  • ITに興味を持っている文系学生
  • 就活等に向けて何か資格が欲しい大学生
  • 勉強時間を確保しにくい社会人

等の方々に参考にしてもらえればと思い解説していきます。

 

時間の使い方

2ヶ月=8週間を基本のスケジュールとして想定します。

まず最初の2週間でベースとなる知識をインプットし、

次の3週間で午前試験のoutputと午後試験のお作法を学習。

続く2週間を本番に向けた問題演習のための期間として使い、

最後の1週間で総復習します。

 

では、各期間別の勉強方法について詳しく説明していきます。

2週間:午前対策

使う参考書はこちら。

要点がまとまったこの参考書を使います。

試験範囲全ての知識が網羅されているわけではないですが、分厚く、詳しすぎる参考書に手を出して挫折してしまっては元も子もありません。

基礎知識を入れる現段階では頻出内容がコンパクトにまとまった本が適当です。

合格のために必要十分な知識は、過去問演習を通して補っていきます。

応用情報試験は過去問の使いまわしが多い試験なので、参考書でベース知識を一通り見る→過去問で間違えながら覚える勉強方法が効率的です。

これは午前攻略の大事なポイントとなってきます。

 

参考書はどこから始めてもいいですが全ての分野に手を付けて、2週間で最低1周、理想は基本1周+苦手と感じた内容をもう1周、です。

時間で言うと平日1h、休日2hも勉強すればこの水準に達すると思います。

ここでは覚えるというより、広範な応用情報の試験範囲を一通り俯瞰し、どの知識も「聞いたことある」くらいのレベルに持っていく事を目指します。

特にBCP等のアルファベットで略された単語を覚える必要は現時点ではありません。

 

さて、参考書での勉強と並行して、勉強済の内容は随時、下記サイトで過去問に取り組みましょう。通勤通学の隙間時間で十分です。

https://www.ap-siken.com/

スマホでブックマークしておいてください。

試験当日まで使うことになる、合否を握るとて重要なサイトです。

過去問演習では、誤答の選択肢からもきちんとinputしてください。

 

3週間:午後対策+午前復習

続く3週間でやることは2つです。

  1. 隙間時間を利用して前述のサイトで午前試験の過去問を解きまくり、知識のinputとoutputを繰り返す
  2. 下記の参考書を使って午後試験の解き方のお作法を学ぶ

午後試験の記述式問題では、問題文の着眼点や解答のポイントを知り、答案作成のコツをいち早くつかむことが合格への近道です。

上記の参考書は解説が丁寧である点で非常にオススメです。

現段階では十分に回答できないと思いますが問題を解けないことはあまり気にせず、解説をじっくりと読み込み、着眼点や答案の作り方を学びましょう。

 

非IT系の受験者の受験科目は、セキュリティ以外に経営戦略、プロジェクトマネジメント、サービスマネジメント、システム監査の中から選択する方が多いと思います。

これらの問題は必要な知識量が相対的に少なく、情報系の知識が少ない人でもとっつきやすい分、キーワードを抑えた答案作成、日本語の文章力が重要となります。

問題を解くこと以上に、解説と模範解答をしっかりと理解することを重視してください。

 

選択予定の問題には満遍なく取り組みましょう。

最初の3週間同様、平日1h+休日2hが目安で、計25題も取り組めばだいぶ地力がついてくると思います。

午後試験は慣れの観点から問題量をこなすことが大事になりますが、直近数回分の問題はこの後の問題演習のために残しておくと良いかもしれません。

 

2週間:過去問演習

これまで

  • 午前試験は過去問道場(https://www.ap-siken.com/)2~3周
  • 午後試験は問題集で解説を読み込む勉強法を1周

という取り組み方をしてきました。

ここからの2週間では、午前/午後試験共に本番を想定して時間制限を設けた問題演習に移行します。自分の解くスピードを正確に知ることが目的です。

勉強時間は平日1h、休日3~4hが目安ですが、仕上がり具合では上下に振れてもかまいません。

午後試験は毎土日に取り組み、最低4回分は経験しておきたいところです。

平日の勉強では問題を小分けにして取り組む、午前範囲なら20問を30分で、午後なら大問1つを25分で、といった具合でも大丈夫です。

 

午前試験の問題では見たことがある設問が多く、解答時間が短縮されているはずです。

この時点で「問題文を見てパッと解き方や単語が浮かばない設問」は苦手の種なので、その分野の抜け漏れをどんどん潰していきましょう。

午後試験の問題では着眼点や解き方が身に付いてきてるはずです。これまでのように安易に回答を見たりせず、ぎりぎりまで自分で答案を作ることに拘っていきましょう。

 

1回分の問題すべてが終わったら、足し合わせて合計得点を出してみてください。この時点で概ね7割超えていれば合格は目の前です。

 

1週間:最終調整

残りの1週間は下記のように過ごしていきます。時間はかけられるだけかけましょう。

午前問題は参考書と過去問を併用して

  • 頻出の計算、アルファベット略語を集中的に暗記
  • 午後に選択しない分野を重点的に復習

午後問題は参考書を使って

  • 参考書を用いて既に解いた問題(特に間違えた箇所)を総復習

「やったはずなのに忘れていた事」がないか確認していき、知識の抜け漏れがあった場合はテキストに立ち返りましょう。

過去問演習で時間に不安を感じた人は、本番当日の解く順序などを考えておくと良いでしょう。

 

当日のポイント

試験時間が早いので起床時間には気を付けましょう。

午前試験約30問落としても大丈夫という心理的余裕を持ち、1つの問題にこだわりすぎないようにしましょう。

まずは1周、分かる問題だけ答えていき、残りの時間を使って躓いた問題に取り組んでいくのが良いかと思います。

 

午後試験はどれも初見の問題ばかりのはずです。答案作成のヒントは問題文中に必ずあるので、問題文を丁寧に読んで理解することに努めましょう。

 

また、時間を意識しつつ全ての設問に記述するよう粘り強さも大切です。自分の答案が字数不足だとしても、キーワードとなるような単語を含んだ文章だけでも書いておきましょう。部分点を貰える可能性があります。

 

さいごに

ただ資格に受かるだけの勉強というのはあまり価値がないと思います。

それでも、この勉強がきっかけで何かに興味を持つことや、新たなチャンスをつかめる事があるかもしれません。

まずは資格をとってみる。それから、この勉強と資格をどう使っていくか考える。

こういう臨み方もアリだと思います。

この資格に限らず、何かに挑戦する意欲が少しでも湧いたのならまずは行動してみる事をお勧めします。

 

それでは。

合格発表日でした

国立の受験を残していた皆さま、お疲れ様でした。

そして今日の正午、ついに早稲田大学理工学部の合格発表がありました。

創造理工学部限定になりますが、合格者数などの情報を整理したものが下記の表です。

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これらの数値はすべてホームページから、プログラムを組んで取得したものなので誤りがあるかもしれません(一応目視でチェックはしました)。

経営システム工学科は、創造理工学部で最も名目倍率(志願者数/合格者)が低い状況です。

補欠合格者数も他学科に比べて多く出しています。

やがて入学者数などが確定すれば、大学から正確かつ詳細な情報が公開されるでしょう。詳しい考察はそちらの情報を待ちたいと思います。

 

何はともあれ受験生の皆さん、お疲れ様でした。

後期試験がある人は最後まで頑張ってください。ここからの期間を頑張れるか否かが分水嶺です。粘り強い努力を期待しています。

 

志望の大学に落ちてしまった受験生の皆さん、残念でした。

ですが受験勉強を通して得られた学びは決して無駄ではありません。

それに、入学後にどれだけ頑張れるかの方が、どこに進むかよりもずっと重要で大切なことです。

その悔しさをバネに、進学先で見つけた夢中になれる物に打ち込んでください。

 

志望の大学に合格した受験生の皆さん、おめでとうございます。

受験というイベントを通して得られた学び・自信は、今後の人生において大きな力となるはずです。

ぜひ大学合格に満足せず、これから先も努力の姿勢を大切にしてください。

 

そして、経営システム工学科に進学する予定の皆さん。

学校推薦組、第一志望組、国立落ち組、現役生、浪人生…色々な方がいると思います。

しかし一度入学してしまえば、それまでの経緯は関係ありません。

皆同じ経営システム工学科の同期です。

学生生活が実り豊かなものになるよう、未来い目を向けて学生生活を謳歌してください。

4月にキャンパスでお待ちしております。

 

それでは。

入試お疲れさまでした

受験生の皆さん、早稲田理工の入試お疲れ様でした。

上手くいった人も、力を発揮できなかった人も、ひとまず今は軽く復習をしてゆっくり休んでください。

国立の受験を残している人は、また明日から勉強頑張ってください。ここからが本当のラストスパートです。張り切っていきましょう。

 

ここ最近は受験関係の記事が増えていましたが、また次からは経営工学関係の内容に戻るかもしれません。

書いて欲しい記事などありましたらコメント、もしくはTwitterでリプライをください。

 

それでは。

早稲田理工入試前日のお役立ち情報

いよいよ明日が入試当日、2月16日です。

前日に出来る対策は多くはありませんが、最後まで粘り強く勉強する意義はあります。

私自身、入試前日に復習した内容が試験で出題された経験があるので、今晩も明日の朝も気を抜かず勉強しましょう。

夜更かしや徹夜など翌日の試験に悪影響を及ぼす勉強は禁物ですが、前日だからと特別なことはせず、いつも通りのルーティーンで勉強して過ごすのが良いと思います。

集中できる睡眠時間は人それぞれでしょうが、今日から明日にかけては最低でも6時間は取れると良いですね。

集中力が高まるのは起床後3時間と言われているので(一次資料見つからず)、朝6時までには起きるようにしましょう。

 

最後に、受験生の皆さんに、理工キャンパスとその周辺施設に関する情報を。

理工キャンパスは副都心線西早稲田駅直結ですが、駅のホーム自体は地下深くに潜っています。地上に出るまでに3~5分の時間を見積もっておくと良いでしょう。

降りる位置は8号車(もしくは10号車)が出口に最も近いでが、混雑する恐れがあります。

1号車付近に乗ってしまうと、ホームの端から端まで歩くことになりますが、多分空いています。

理工キャンパスの改札を出ると、2回長いエスカレーターを登ります。駅の出口を出て右手に向かうとすぐキャンパス入り口です。

駅を出て左手に行くとセブンイレブンファミリーマートが、駅を出て右に進み続けるとローソンがあります。

しかし、いずれもキャンパスから遠いので、軽食や飲み物は自宅最寄りのコンビニで買うことをお勧めします。

キャンパスの向かい、道路を挟んでドン・キホーテがあります。

ドン・キホーテの飲食コーナーは比較的充実しているので、最悪ここで買いましょう。ただレジ台数が少ないので時間がかかるかもしれません。

ドン・キホーテの隣にはマクドナルドがあります。キャンパスに少し早く着きすぎた人は、マクドナルドで最後のチェックをするのもアリです。

キャンパス内にタリーズコーヒーがありますが、席数が少ないうえに日曜日は定休日だった気がするので、あてにしないほうが無難です。

学内にも購買がありますが、当日営業しているかは定かではありません。学食も同様です。自動販売機の数も少ないので、軽食と飲み物は持参しましょう。

 

キャンパス情報ですが、どの建物も似たような形・色をしています。

また、トイレの数が圧倒的に少ないです。気を付けてください。以下トイレのお役立ち情報です。

52、53、54号館と似たような建物が並んでいますが、53号館のトイレは大きく、一方で52、54号館のトイレはキャパ不足です。53号館を使うと良いでしょう。

53号館地下1階のトイレは、在学生の間で穴場として有名です。当日侵入可能であれば、ここを頼りにすると良いでしょう。なお、このトイレにたどり着くには一度外に出るか、建物間の階段を利用する必要があります。

建物内を移動して地下1階にたどり着くにはエレベーター以外の手段がないので気を付けてください。

56号館のトイレは外れです。狭くて小さい。他の建物を頼るか、地下もしくは2,3,4階を探すほかありません(他フロアのトイレも小さいですが)。

57号館のトイレは大きい方ではありますが、収容人数を考えると足りない気がします。

また、61号館2階、63号館3階のトイレも大きいです。試験会場になる可能性が低いので、侵入可能かつ緊急事態の場合にはここを頼ると良いでしょう。

やっぱ理工キャンパストイレ足りないよ!

 

私ができるアドバイスはこのくらいです。トイレで失敗しないくらいしかお役に立てません。お役立ち情報≒トイレ情報です。

こんな調子でやってますが、受験生の皆さんのことは心から応援しております。

頑張ってください!

 

志願者数確定!2019年度の早稲田・経シス入試動向分析

入試間近ということで、2019年度の早稲田大学入学試験、全学部の出願者数が判明しました。

ということで、今年度の経シス入試動向を分析しようと思います。

 

2018年度の入試結果を分析した記事もあるので、こちらも併せて読んでみてください。

industrialengineering.hatenablog.com

 

こちらに2019年度の志願者数データが記載されています。

http://www.admission.waseda.jp/shigan_list.pdf

この志願者数のデータから、今年の入試がどうなりそうか考えてみます。

 

上のデータと過去のデータをまとめたものが以下の表です。

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見てわかる通り、経営システム工学科の志願者数が大きく減少しています。

前年度より25%減っています。昨年の志願者数が例年に比べて多いということを考慮しても、今年の志願者数は少ないと感じます。

実際の受験者数は志願者の90~95%くらいなので、入試当日のライバルは600人と少しくらいになりそうです。

ちなみに、昨年は70人の定員に対して913人の出願があり、全学科中最高の実質倍率7.7倍という厳しい受験でした。

一般的に、前年度の倍率が上がるとその翌年の出願数が減ると言われていますが、2019年度の経シス入試においてもそれが当てはまりそうです。

 

ここで、ライバルである慶應義塾大学理工学部の志願者数をチェックしておきましょう。

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早稲田の表と慶應の表を見比べてわかるように、両校とも理工学部全体、大学全体の志願者数は減少しています。昨年比で約95%、仲良く志願者減です。

 

この減少分は、人気低下による受験者離れではなく、大学定員厳格化*1の影響により、合格見込みがほぼない受験層が早慶から離れただけだと推察されます。

記念受験に近い受験生たちが、無難にランクを落として早慶に出願しなくなっただけでしょう。

一方で、国立との併願受験層、合格ライン近辺の受験層は、今まで通り出願していると考えられます。

つまり今年度の受験は、単純な受験倍率は例年よりも低くなりますが、合格ラインは変わらず高いままということです。

出願者の減少はライバルが減るように感じられますが、勝負する層は今まで通り手ごわいです。油断せずに入試に挑んでください。

そもそもの母数、つまり、出生数の影響も否定できませんが、年次統計*2を見るとその可能性は高くなさそうです(厚労省を信用していいかはアレですが…)

 

受験問題の難易度を予測するのは困難ですが、某予備校講師に「WMARCH」などと揶揄された時代よりは難しくなっているでしょう。

 

以上より、経シスの志願者減少の理由は、

①昨年の高倍率の反動

②大学定員厳格化による記念受験層の早慶離れ

③経営工学全体の人気低下の可能性

と、まとめられます。

倍率は低下してますが、肌感としての合格難易度は例年通りだと思います。

残り数日ですが、最後まで頑張って勉強してください!

 

P.S.

4年生の皆さま、卒論お疲れ様でした。

偏差値は!?倍率は!?将来の年収は!?早稲田大学医学部について調べてみました!

そんなものはない

 

早稲田大学に医学部は(今のところ)ないので、マッチングアプリや文化祭で「医学生」を名乗る早稲田男子()に気を付けましょう。

 

あ、でも近いうちに出来るかもしれませんね。

新総長の田中さんが、医学部を創ろうとしてるとか。

新設というよりは、どっかの私立医大を吸収する形になるんですかね。

gendai.ismedia.jp

 

あと、こんな感じのタイトルのブログ記事が巷に溢れていますが、中身すっからかんなので何とかして欲しいです。

 

大学受験と親、受験生とのかかわり方について

この記事は、大学受験生を子に持つ親御さん向けの内容です。

 

大学受験というものは受験生にとっての一大イベントですが、親・家族にとっても同じくらい大きなイベント。

子同様に親も不安になり、悩みます。

塾講師を4年続けて一番感じたことが、

多くの受験生の親御さんが、子供とのかかわり方について悩んでいる

ということです。

当の受験生よりも受験に対してナーバスになる保護者の方も多くいます。

三者面談や保護者面談では、「何をしてあげるのが良くて、何をするのが良くないのか分からない」という悩みについて相談されることが多いです。

 

この記事では、自身の大学受験・浪人経験と塾講師経験をもとに、大学受験に臨む子供と親のかかわり方について考えていきたいと思います。

 

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はじめに

親は飯とカネだけ出せばいい

というのは、受験業界ではたまに耳にする言葉です。

この言葉は極論に近いですが、大学受験においては的を射ている側面もあります。

この言葉は2つの考え方で、大学受験を言い表しているのではないでしょうか。

 

まず、大学受験は子供の独り立ちの機会である、という解釈です。

 

大学受験はそれまでの受験(小中高の受験)とは異なり、受験生が自らの進路について考え、自らの意思で志望校を決定することが多いです。

それまでの受験では、親の意見・方針が大きく影響しています。

子供は「自分のやりたい事」が分からないため、偏差値や何らかの実績で志望校を考え、親は学費や自宅からの距離などより現実的な要因で選択肢を限定してしまいます。

また、「こう育ってほしい」という想いから、親が志望校を決めるケースも少なくありません。

つまり、高校受験までは、受験の主役が親である場合が多いです。

 

一方、大学受験の主体は受験生です。

受験生は「大学でやりたい事」をもとに志望校を決定します。

諸事情で自分の意思よりも、家庭の方針を優先する人も少なくないとは感じますが、しかし一般的に、そのようなしがらみがない場合、自分が大学で何を学びたいか、どんな大学生活を送りたいか、将来どんな大人になりたいか…など、自分の将来から逆算して大学・学部を決める人が多いでしょう。

親が「あそこは受験しなさい、ここは合格しても行かせません」と意見するケースは少数だと思います。

これは塾講師としても感じる部分です。

志望校を決める際、受験生は自分の意見をはっきり言い、親は子の意思を尊重する、という関係が顕著に見て取れます。

少なくとも小中高の受験よりははっきりと。

私は「自分の人生を自分の意思で歩み始めるスタートラインが大学受験」だと考えます。

勿論、衣食住など様々な面で以前として親の庇護の下にあることには変わりませんが、親の役割はそれまでの受験よりもずっと小さくなります。

 

つまり『親は飯とカネだけ出せばいい』という言葉は、「子供の人生なのだから親は必要最低限のサポートだけしなさい」と言う考えを、少しキツめに表現したと捉えることが出来るのではないでしょうか。

 

また、大学受験に求められる知識は高度なものになります。私も専門外の事は教えることが出来ません。受験生の方が詳しいくらいです。

この言葉の2つ目の解釈として、「勉強面で親が出来るサポートはないので、親は勉強に集中できる環境作りをしなさい」と考えることが出来そうです。

 

小学受験や中学受験の成功は親の頑張りが大切、と言いますが、大学受験は親が適切な距離感で接することが大切、と言えるでしょう。

 

受験生の理解

受験生とのかかわり方について解説する前に、受験生という状態について少し勉強しておきましょう。

色々なストレスに悩まされている

受験生には悩みが沢山あります。

志望校、成績、学力、友人関係、家のこと、塾のこと、etc...

常に悩み事を抱えている状態です。思春期に受験というイベントが追加されるわけですから。

まずは、多感な時期で悩み事が多い、という事実を理解しましょう。

 

努力には動機が大事

外からいくら「勉強しろ」と言ったところで、成績向上につながる効果的な勉強はできません。

寧ろ、やれと言われると余計やる気がなくなる学生の方が多いです。

ただ発破をかけるだけ、宿題を出すだけでは勉強をやるようにはなりません。これは塾講師がやっても同じことです。

大切なのは、モチベーションを受験生自らが見つけ、高めること。ですが、これは簡単なことではありません。

成績が伸びることでモチベーションが向上する学生、先生に褒められてやる気が増す学生、難しい問題に燃える学生、様々います。

周りが受験生のためにしてやれる事は、受験生が頑張れる環境を作ること程度、だという認識を持つことが大切です。。

 

受験生にしてはいけない事

簡潔に言うと、

受験生にしてはいけない事=受験生のモチベーションを削ぐ事

です。

では、どのような行為が受験生のやる気に悪影響を及ぼすのでしょうか。

 

「勉強しろ」という注意

上でも述べましたが、やれと言われてやる気になる人は殆どいません。

「勉強しろ」という無責任な注意は禁物です。

スマホを弄ったり、漫画を読んだり、家で勉強しない受験生の姿を見てつい注意したくなる気持ちは分かります。

しかし、そこで注意したところで改善が期待できるわけではありません。

もし仮に机に向かったとしてもそれは一時的なものであり、ましてや有意義な勉強とは程遠い内容です。

大切な事は、今勉強させるための対処療法ではなく、勉強ができていない原因を特定し改善することです。

なぜ勉強できていないのか、それはスマホや漫画があるからではありません。

もっと根本的な原因があります。スマホや漫画をやりたくて勉強をおろそかにしているのではなく、勉強をやる気にならないからスマホや漫画に手が出ている理屈です。

スマホや漫画を制限するのも1つの方策ですが、それは暇つぶしの逃げ道をつぶすだけで、勉強をやる気にさせる根本的な方法ではありません。

繰り返しになりますが、勉強が出来ていない原因を考える事が重要です。

多くの場合は受験生本人の問題ですが、家族が出来るサポートもあります。

学校や塾の勉強で疲れている、或いはモチベーションが上がらず机に向かう気になれないのかもしれません。

受験生を観察して、労りと励ましの気持ちを込めた言動を心がけることが重要だと感じます。

 

過度な期待 or 無関心 

期待はし過ぎても良くないですし、しなさ過ぎても悪影響です。

親の過度な期待は、受験生を消耗させる毒でしかありません。

そもそも親のための勉強ではなく、自分のための勉強です。

過度な期待は勉強の目的を見失わせてしまう恐れがあります。

応援する気持ちは大事ですが、こうなってしまうと本末転倒です。

 

一方で、子どもの人生だからといって無関心を決め込むと受験生は非常に辛いです。

期待しすぎないのも良くありません。期待しすぎないというのは、無謀に思える受験を諦めのスタンスで静観することも含みます。

博打色の強い受験は友達や先生に止められる、もしくは真剣に取り合ってもらえないことがありますが、そこで親さえも見放してしまうと、受験生の味方はいよいよいなくなってしまいます。

志望校合格は長く困難な道のり。

受験生が最後まで頑張り続けるためにも、近い人ほど最後まで応援してあげることが重要になると思います。

 

悲観しない

無関心よりも堪えるのが悲観的な話。

自分よりも親が先に諦めてしまうと、頑張る気持ちを維持できなくなってしまいます。

チャレンジ校の合格を期待しない振舞、受験直前期の全落ちの話などは避けた方が良いでしょう。

モチベーションに深刻な影響を及ぼします。

親は様々な状況に備える必要はありますが、それは直前期よりもずっと前に考えておくべき事です。

そういう考えが頭をよぎっても表には出さないことが重要です。

 

比較しない

親のネットワークで「〇〇さんの所の息子さんは△△志望」とか「推薦で□□に合格した」とか、そういう情報を耳にすることもあるでしょう。

そういう話を子どもにするのは控えた方が良いと考えます。

受験生にもそういう話は入ってきますし、自分の勉強に悩みがある人ほど人と比べられて良い思いはしません。

親側に比べる意図がなかったとしても、子どもの受け止め方は違うかもしれません。

子どもにとって誰かの話をされるメリットはないので、子どもから話を振られない限りは避けるべきです。

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受験生にしてあげられる事

ここまで、受験生の理解と受験生にしてはいけない事を考えてきました。

ここからは、受験生に対してしてあげられる事を解説します

 

生活のサポート

まず、普段どおりの環境を整えて生活リズムを維持してあげることが大切です。

食生活の面では、健康管理に配慮した食事を出す、夜食のおにぎりを作ってあげる、さりげない気遣いや優しさが見えると、受験生も「頑張ろう」と一層やる気が出ます。

また、乾燥が気になる冬の季節には、加湿器を設置する、病気の予防にR1ヨーグルトを冷蔵庫に常備する、このようなサポートの仕方もあります。

その他、テレビのボリュームを下げる、受験生の目に入るところで遊ばない、など家族全員が出来る取り組みも大切なことです。

家族全員が協力して、受験生が勉強に集中できる環境を整えることが、何よりも重要で、親にしか出来ないとても重要な役目だと思います。

 

将来についての話し合い

これは第一志望を決める時期、理想は4月、遅くとも10月頃までにはしておきたいことですが、進路について親子で真剣に考える機会を設けることをおススメします。

受験が近づくほど、親子間のコミュニケーションをとる時間は少なくなるので、早い時期に土台の認識を揃える作業は必要不可欠だと感じます。

また、自分の経験を基にして子どものやりたい事を明確にしてあげるのも、親にしか出来ない役割だと感じます。

1回で素直な思いを言葉に出来ない受験生も多いので、その場合は何回も繰り返し話し合うべきです。

その話し合いは子供の目標を一緒に考えることが主旨です。

子供の意見を強く批判したり、親が意見を押し付ける形になってしまうとかえって逆効果なので、子供から意見を引き出すことに注力すると良いでしょう。

 

思春期の子どもと将来について真面目に話すことは簡単ではないですが、学校の先生や塾講師をうまく活用し、子どものやりたい事や受験校を把握しておきましょう。

これは、全落ちなどを回避する受験校選びや、次に述べる金銭面でのサポートにおいても重要となる要素です。


金銭面のサポート

金銭面でのサポートは欠かせません。

単語帳や参考書など勉強道具のサポートから、塾の授業や模擬試験など講習に対する資金援助も必要になります。

ただ、受験生の望むまま無制限にお金を出せば良いというわけではありません。

参考書や塾はあの手この手で必要性をアピールしてきます。

受験生はナーバスになっているので、本来は必要ない書籍や授業を、学校や塾に勧められるがままに求めてしまう、という事態に陥りがちです。

まるで本屋のような量の参考書を持っているのに学力に伸び悩む「参考書コレクター」、講習や授業を朝から晩まで受けているのに一向に成績が上がらない学生は、この典型と言えるでしょう。

 

「なぜ勉強するのか」、目的が分からぬまま勉強をしても学力は上がりません。

彼らは「なぜ参考書を買うのか」や「なぜ授業を受けるのか」が分かっておらず、ただ勧められるがままに努力しています。

そしてこの背後には、子どもの求めるがままにお金を出してしまう親がいます。

これは受験生にとって時間の浪費、家庭にとっては金銭の浪費となり、非常に不幸な結果を招きます。

本来、塾講師や先生はこのような悲劇を回避し受験生を効率的に目標まで導く立場にあるはずですが、悲しいことに利益を優先して受験生のことを考えない人もいます。

悪いのは子でも親でもなく、教える立場の人間である場合が多いです。

 

そういう時に、この悲劇の最後の砦になれるのが親だと私は考えます。

親子の間で共通の目標認識があれば、親が冷静に考えるきっかけを与えることが出来ます。

「子どもにに何故それが必要なのか」、難しい勉強の事は分からずとも、受験生に再度その必要性を考えさせるきっかけを作ることが、親の出来るサポートです。

 

その上で、それが受験生に本当に必要ならば、金銭のサポートをしてあげてください。

 

まとめ

私は『親は飯とカネだけ出せば良い』とまでは思いませんが、大学受験に於いて親が受験生にできることは非常に限られていると思います。

 

小学校受験における親の役割がコーチ、中高受験における親の役割が監督とするならば、大学受験における親の役割はオーナーです。

細かい指示は出さず、高い視座と広い視野で子どもという球団を支える存在です。

 

また、受験生のモチベーションは受験生自身にしか上げられない、と述べましたが、親が一生懸命頑張る姿を見せることは子どものやる気を大きく引き上げると思います。

 

平時は干渉しすぎず、大事な時には良い話し相手となり、適切な距離感で受験を乗り越えることが大切です。

このカロリーメイトのCMに、私の言いたいことが詰まっています。

受験生の頑張りや苦しみ、親の役割がリアルに描かれていると感じます。

www.youtube.com

 

大学受験を独り立ちの機会と考え、頑張る受験生を傍で温かく見守ることが、親と大学受験の適切なかかわり方だと思います。