となりの経営工学科

現役早大生が経営工学について紹介しています。その他数理科学、学内行事、就活、オススメの本についても書いています。

CFA level1 受験期(勉強方法とスケジュール)

2022年5月に受験したCFA level1 に合格しました。
本記事はその体験記と振返り・反省になります。
「こうしておけばよかった」という反省部分は赤字です。
主に勉強方法とスケジュール、教材について記載しています。

まとめ

金融機関勤務、証券アナリスト資格保有英語圏での滞在・留学歴なし、理工系学部出身、TOECI800点台

2021年  6月  証券アナリスト2次試験受験→合格
2021年11月  CFA level1 Candidate 登録、ガイドブックで勉強開始
2021年12月  Kaplan Schweserのテキスト購入、単元別に勉強開始
2022年5月3週 CBT受験

試用教材:Schweser Essentialパッケージ(テキスト、Qbank、Mock Exam4回)、CFA受験ガイドブック(level1)、CFAファイナンス講義(経済編)

勉強時間:約400時間(6.5ヶ月×平均60h/月)、平日1.5時間、土日計8時間ペース

雑感証券アナリストの知識が十分あり、かつ英語が得意ならlevel1はさほど難しくないだろう。但し、どちらかが欠けていると結構大変。

参考サイト

CFA受験について解説している日本語サイトは多くあります。
ここでは個人的に特に役立ったと感じるサイトをいくつか紹介させていただきます。
勉強の計画やモチベーション維持に役立てていました。

CFA学習Tips さん

triumphmind.comCFA Candidateに登録する前から参考にしていたウェブサイトです。
幅広い解説が魅力的で、入門書的な扱いとして見ていました。
運営者さんのTwitterも一見の価値ありです。

ペコちゃん金融 さん

pekochanenglish.hatenablog.com金融資格・英語資格への造詣が非常に深い方のブログです。
勉強スケジュールや教材の使い方等、非常に参考になりました。

すぺらんかー さん

note.comlevel2を見据えた勉強方法や、試験の雑感が参考になるNoteです。

2 be ambitious さん

beambitious.hatenadiary.org少し古めの記事ですが、特にこちらでは勉強方法などが詳しく記載されております。
level1受験でも無論役立つでしょうが、level3を見据えて今後も大変役立つ内容と感じます。

その他

CFA Society Japan CFA Society Japan - 日本CFA協会

英語が得意な方はこちらも参照されると良いでしょう。
公式のTips CFA Exam Study Tips
金融界のWikipedia Investopedia: Sharper insight, better investing.

教材

主な教材は3つです。その他に独自でノートを作成したり、Googleスプレッドシートを活用しておりましたが、これは後述致します。

Schweser Materials

www.schweser.com

殆どの受験生が使用しているであろうSchweser。
中身に応じてEssential、Premium、Premium Plus とパッケージランクが分かれています。
私はEssential(Printed/eBook/Online)を購入しました。
詳細は割愛いたしますが、私が主に使用した基本テキスト、模試4回分(Mock Exam)、Qbank(オンライン問題集)は 全てのパッケージに含まれます。
テキストでインプット、Qbankで問題演習、模試で理解度確認の流れで進めていきました。
オンデマンド講座やその他充実の学習資料はPremium以上についてきますが、英語が得意ではないためたくさんの教材を購入しても使いこなせないと判断してやめました(結果的に妥当な選択でした)。

書籍テキストが不要な場合は購入画面で(eBook/Online)というボタンをチェックすればOKです。教材の輸送費分だけ安く済みます。
タブレットやPCでの勉強が主の方はPrintedがなくても十分でしょう。

CFA受験ガイドブック(level1)

英語が得意でない日本人受験者の強い味方、受験ガイドブックです。

私はCFA level1 Candidate 登録直後にまずこれを読みました。

勉強方法や学習スケジュールの参考はこちらにも記載されている他、各単元のポイントや専門用語が日本語で解説されているため、手元に1冊あると心強いです。

上記ガイドブックは全単元を網羅的にカバーしておりますが、自身の苦手に応じて以下の補助教材も活用すると良いでしょう。

これらはSchweserテキストに着手した後に購入しても遅くないと思います。

CMA(証券アナリスト)に合格している方であればガイドブック一冊で十分かもしれませんが、カバー範囲の違いや英語で書かれていることの難しさもあると思います。

私はSchweser テキストに着手した後に Economics単元に苦手意識を感じたので、経済編を購入し、結果的にEconomicsについてはこの日本語教材をベースにして乗り切りました。
Economicsの難しさを感じてから上記補助教材を買うまでに暫く迷いがあったのですが、数千円の出費で理解が格段に進み時間短縮につながるので、もっと早く買っておけばよかったです。

備考:関数電卓

教材とは異なりますが、関数電卓も必須アイテムです。私は日本語ガイドブックがついた Texas Instrumentsのものを購入しました。

勉強スケジュール・勉強方法

概要
2021年11月~   CFA level1 Candidateに登録、ガイドブックで概観インプット
2021年12月~   Kaplan Schweserのテキスト購入、各単元別に順次学習
2022年4月中旬 MockExamに着手
2022年5月3週目  CBT受験(御茶ノ水
平日1.5時間、土日計8時間、月60時間を目標に勉強を進めました。
試験まで時間がある冬の時期はスローペースになってしまいがちだったため、結局直前に慌てて詰め込む羽目になりました。最後の1,2か月は月100時間程度勉強していたと思います。英語を読むことに一番時間を取られたため、英語が得意でない方はゆとりを持って早め早めに勉強するのが良いと思います。

2021年11月~

受験半年前の11月に試験登録し、CBT受験日を申し込みました。
この時点で既に空きは少なく、5-6日ある候補日のうち、金曜日や土曜日は埋まっておりました。約10か月前であれば土曜日も予約が取れたので、覚悟が決まったら早めにCFA登録を済ませ、受験日を固めてしまうのが良いでしょう。

登録直後からAmazonで購入したガイドブックで勉強開始。書店で買う場合は東京駅の丸善に行けばほぼ確実に置いてあります。こちらを1か月ほどかけて全単元、全練習問題を終了。この時点で軽くノートを作成。
この進め方は良くありませんでした。ガイドブックはさっさと済ませてSchweserテキストに移り、必要に応じて参照し直すのが良いでしょう。これを参考書として使い、読み込むのは非効率的だと感じます。

2022年12月~

5冊あるSchweserテキストを1か月1冊終わらせるペースで学習計画を立てました。
但しEthicsは最後かつ直前期に回したため、実質4ヶ月で4冊です。
進め方はテキスト順にクオンツ&経済FS分析コーポレート&株式債券&デリバPFマネジメントです。
ここにも反省点があります。私はCMAの時から株式・債券・PF理論が得意で、クオンツ・経済が苦手だったため、得意分野から先にインプットしておいた方が効率的だったと感じます。分野毎の重複や順序関係はあまりないので、テキストの進め方は単元の分け方に従う必要はないでしょう。テキストのボリュームもクオンツ&経済が最も分厚いため、いきなりこれを終わらせようとすると結構骨が折れます。
また、WebテキストとDeepL等の翻訳サイトを駆使すると、英語の読解にかかる時間が省けるでしょう。試験問題は英語であるため最終的には英語問題文を理解する必要がありますが、概念や中身の理解は日本語の方が速いはずです。私はQbankの復習の一部をこのやり方で進めておりましたが、もっと広く活用してもよいと感じています。

2022年3月後半~

Qbankに着手し始めます。これはSchweser Packageに含まれる一問一答の問題集で、分野やレベル別の出題指定や、正誤結果の集計が出来る優れものです。問題量がとにかく膨大にあるので、同じ問題を繰り返し解いて変な癖がつく心配はありません。
基本的には10問15分を目安に、演習→答え合わせ→テキストで復習→覚えが悪い部分を独自ノートにメモ、という流れで取り組んでしました。
これはテキストと並行して進めるべきでした。一応テキストにも理解度確認の章末問題があるのですが、それだけでは問題数も少ないです。反対にQbankは大量に演習問題があります。基礎と応用にレベルが分かれているので、基礎だけでもテキストと併せて取り組むのが良いと思います。私は試験前日まで取り組んでいましたが、結局全体数の約7割しか解けず、若干の不安を残したまま試験当日を迎えました。
また、この頃よりEthicsにも着手します。テキストとQbankで進めていく流れは同じですが、間違えた問題と答え・要点はスプレッドシートで管理し、会社の昼休みなどの隙間時間で見返せるようにしておきました。個人的には、CMAの倫理パートとは感覚がずれる部分が少しあり(文化の違いでしょうか)、Ethicsは馴染みにくかったです。

2022年4月中旬~

Mock Examという模試4回分に着手し始めます。土曜日の午前・昼に演習→土曜午後~日曜の時間を使って復習、という流れを4回行いました。平日はQbankでの演習と抜け漏れがある単元の復習です。
模試第1回は正答率約6割強でした。Qbankでの演習が2割程度しか終わっていないため当然の結果です。そこから演習の進展に伴い、模試の正答率も6.5割→6.8割→7.2割(5月前半時点)と向上していきました。
また、試験当日の流れを再現できる機能もあります。画面構成や操作方法など、当日焦らないように事前に確認しておきました。

以降試験当日までは、QbankとMock Examの間違えた問題を中心に、演習→復習の繰り返しです。

試験当日と雑感

御茶ノ水駅のCBT受験会場で午前9時からの受験でした。
他資格の受験者もおり、手続きに時間がかかる可能性があるため、会場には余裕を持って到着すべきでしょう。
また、パスポートは本人確認に必須です、忘れないようにしましょう。
試験は前半後半で時間が分かれています。栄養補給やトイレ休憩はこの時間で可能です。上限30分取得可能ですが、入退室の確認時間があるため実質的には更に短いです。外出は難しいので、飲料等は事前に用意しておくと良いでしょう。

Mock Exam程は難しくないと感じながらも、はっきりとした自信がないまま終了しました。
その後、しばらく何も連絡がないまま7月を迎え、突然「1週間後に合否を連絡するよ」とのメールを受信し、7月7日にメールで合格の通知を受けました。