となりの経営工学科

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攻略!早稲田大学・理工学部の入試対策法~化学編~

この記事は受験生向けです。

 

早稲田3理工学部を目指す受験生に送る入試対策記事の第3弾は化学ですです。

第1弾は数学、第2弾は英語です。未読の方はこちらもあわせてどうぞ(数学の勉強法なども紹介しています)。

industrialengineering.hatenablog.com

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問題数が多く、素早い計算力を求められる早稲田大学の化学ですが、今回は得意科目選考:化学で合格した頼もしい助っ人(化学の鬼)に協力してもらっています!

得意科目選考とは、学科が指定する科目で特に優れた能力を示したと判定された受験生を総合点が合格点に達していなくても合格とする選考方法のことです。(出典:https://www.waseda.jp/inst/admission/undergraduate/system/general/

この記事で早稲田の化学で合格点を取るための力と技を身に付けましょう!

 

基本情報

早稲田大学の理系学部は、基幹・創造・先進に分かれています。

入学試験は基本的に、数学、英語、理科(2科目)で行われます。私立大学で理科2科目で受験しなければいけないのは、早稲田大学慶應義塾大学だけです。

理科2科目は物理・化学の組み合わせが基本ですが、以下の学科を受験する場合は「物理・化学・生物」から2科目選ぶことが出来ます。

  • 基幹・学系Ⅰ
  • 基幹・学系Ⅲ
  • 先進・応用化学(化学必須)
  • 先進・生命医科
  • 先進・電気情報生命工 

 では、入学試験問題の傾向とその対策について述べていきます。

 

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入試問題分析と入試対策

まずは入試問題について問題構成や出題傾向を分析します。その後に入試対策や勉強方法などに関して個人的見解を述べていきます。

なお、分析や対策については、駿台予備校や河合塾などの講評を参考にしています。

試験情報

試験時間:理科2科目で120分

問題構成:3題60点。1題は選択式の小問集合、2題が記述式。

入試分析

詳しくはこちらを読んでください。私の分析よりも駿台の方が(たぶん)信用できます。

www2.sundai.ac.jp

 

化学の試験で気を付ける事

まずは早稲田の数英語で抑えるべきポイントについて解説していきます。

物理・生物との時間配分

 理科の試験科目では「物理・化学・生物」の中から2科目(各60点、計120点満点)を120分で解かなければいけません。

単純計算で化学に割ける時間は60分ですが、もう1つの科目の得意不得意のバランス、その年の難易度を踏まえて臨機応変に時間配分を決めることが重要です。

化学は分量・計算量ともに多い問題が頻出であり、半分以上の時間をかける人も多くいます。

しかし1つひとつの問題の難易度はさほど高くありません。充分な量の問題演習を積んでいれば60分以内での高得点を狙うことが可能です。化学の点数をを60分以内で如何に高めることが出来るかが理科試験攻略の鍵とも言えるでしょう。

 

分量の多さと範囲の広さ

化学の特徴は大きく分けて2つ、分量の多さと範囲の広さです。

選択式の大問1の設問数は30(3問完答×10題)、記述式の大問2,3はそれぞれ10題ずつ、化学全体で50問前後の問題に答えなければいけません。

また、過去の試験を見ると化学全範囲から満遍なく出題されています。

1つひとつの設問は決して難しいわけではありませんが、沢山の問題を次々こなす高度な処理能力が要求されます。

その為に大切なのは、教科書と問題集を使い込み

  • 苦手分野・単元を残さない
  • 計算スピードと正確性を高める
  • 広範囲かつ正確な知識
  • 文章から必要な情報を見つける力を養う

ことが大切です。まずは典型問題に習熟しましょう。

他の私大のように、重箱の隅をつつくような問題は殆ど出題されません。

 

次からは出題範囲と出題形式にフォーカスし、テクニカルな話をしていこうと思います。

小問集合

毎年大問1に設定されている選択式の小問集合ですが、

回答数3つの問題数が10問、計算問題+知識、幅広い出題範囲、完答必須、、、

化学が得意でない人ほど点数が伸びにくい大問でもあります。

ポイントはさっさと終わらせること。

ここで出題されるのは基本的な問題・知識が主です。

理想は入試当日までに典型問題のスキを無くしておくことですが、本番で万が一解けない問題が出てきたら悩まずに後回しにすることをお勧めします。

とにかく時間最優先という意識を持ち、合否を大きく分ける大問2,3に割く時間を少しでも多く確保しましょう。

 

記述式

記述式である大問2,3は例年下記のような構成になっています。

  • 大問2:無機+理論の融合問題
  • 大問3:有機の総合問題

まずは気を付けるべきポイントとして記述式という出題形式が挙げられ、答えのみならずそこにたどり着くまでの筋道を簡潔に示す必要があります。記述式の良い点として部分点を得られる可能性がありますが、1問あたりの点数が非常に低いので早稲田の化学ではほとんど期待できません。答えを出すことに拘りましょう。

また、単語で答えるのではなく文章での解答を要求される問題も毎年出題されています。自分の知識を使って論理的に説明できる記述力も重要です。

記述解答は一夜漬けではどうにもならない部分なので、特に私大専願の受験生は過去問を活用し、記述式解答の型を覚えていきましょう。

 

大問2,3に関しても分量が多く出題範囲が広いのは変わりませんが、典型問題が設問の過半を占めていると感じます。ここで大きく点数を落としてしまうと化学での合格点獲得は絶望的ですので、確実にものにできるよう日頃の演習を積んでください。特に有機化学の構造決定は(一般的に)難しくないので、確実に点を取りたい設問です。

無機と有機が問題のメインテーマとなっている場合が多いですが、理論分野の力も必要不可欠です。高得点を狙う受験生ほど、まず土台となる理論分野の完成を目標に勉強してください。

 

勉強方法

最後に勉強法について解説していきます。

 

問題集の使い方

一通り教科書に目を通したらすぐに問題集に移りましょう。アウトプットをすることで理解が深まります。

問題集は難易度が異なるものを2~3冊用意するのが良です。

まずはセミナーなどの易しい問題集を利用し、知識や公式の使い方を学んでいきます。(同じようなレベルの問題集であれば何でも構いません)

 

次に重要問題集などの、典型問題+過去問を収録した問題集を利用し、実践的な力を養っていきましょう。このレベルの問題集での目標は、自分の知識を自由自在に扱えるようになることです。

 

早稲田の化学で合格点を取ることが目標ならば問題集はこの程度で構いません。ただし、この中に解けない問題がないくらいやり込むことが重要です。

先ほど述べたように苦手分野を残さないことが何よりも大切なので、教科書・易しめ問題集・応用問題集の3点セットを回し、スキのない勉強を行ってください。

 

化学で他科目の苦手をカバーしたいと考えている人は、もう1段高いレベルの問題集を使い8割り以上を狙うのも良いかもしれません。お勧めはこちらです。(卜部さん執筆の参考書はどれもお勧めできます)

 

資料集の使い方

資料集は視覚的に知識を獲得するのに効果的な本です。また、早稲田ではあまり使わないかもしれませんが、細かい知識の整理にも役立ちます。高校で教科書と合わせて配布されることが多いと思うので、活用していない人はぜひ使ってみてください。

 

また、資料集とは言えないかもしれませんが、超高校級の化学の知識を身に付けたいならばこちらの参考書で決まりです。ただし、よほど余裕のある受験生でなければ間違いなくオーバーワークになるのでうかつに手を出さないようにしましょう。 

 

過去問の使い方

出題傾向の把握、時間感覚を知る為に過去問演習は必要不可欠です。弱点分野の把握にも有効です。

重要問題集が8割程度完成してきたと感じたら過去問演習に移りましょう。

 

ただし過去問をやり過ぎるのは良くありません。1度出た問題が今年の入試で出るとは考えにくいです。過去問博士にならないように気を付けてください。

 

まとめ

この記事の要点を振り返ってみましょう。早稲田理工の化学入試で重要なのは、

  • 弱点分野を無くし、幅広い知識を身に付ける
  • 短時間で多くの問題に解答するための高い処理能力
  • 典型問題に習熟する
  • 記述形式への慣れ

です。そのほかにも勉強計画を立てたり、自分なりの戦略をもって試験に臨むのは、全ての入試に共通するポイントです。

受験勉強はつまらないかもしれませんが、目標に向けて努力するこの経験は必ず活きるはずです。頑張りましょう!