攻略!早稲田大学・理工学部の入試対策法~英語編~
この記事は受験生向けです。
早稲田3理工学部を目指す受験生に送る、入試対策記事の第2弾・英語です。
第1弾は数学です。未読の方はこちらもあわせてどうぞ(数学の勉強法なども紹介しています)。
industrialengineering.hatenablog.com
文量・設問数ともに多く、「私立理系の英語入試で最高難度を誇る」と噂されている早稲田大学の英語ですが、きちんと対策をすれば怖くありません。
さっそく対策法を見ていきましょう。
基本情報
早稲田大学の理系学部は、基幹・創造・先進に分かれています。
入学試験は基本的に、数学、英語、理科(2科目)で行われます。私立大学で理科2科目で受験しなければいけないのは、早稲田大学と慶應義塾大学だけです。
理科2科目は物理・化学の組み合わせが基本ですが、以下の学科を受験する場合は「物理・化学・生物」から2科目選ぶことが出来ます。
- 基幹・学系Ⅰ
- 基幹・学系Ⅲ
- 先進・応用化学(化学必須)
- 先進・生命医科
- 先進・電気情報生命工
入試問題分析と入試対策
まずは入試問題について問題構成や出題傾向を分析します。その後に入試対策や勉強方法などに関して個人的見解を述べていきます。
なお、分析や対策については、駿台予備校や河合塾などの講評をかなり参考にしています。
試験情報
試験時間:90分
問題構成:5題120点。完全マーク式。
入試分析
詳しくはこちらを読んでください。私の分析よりも駿台の方が(たぶん)信用できます。
英語の試験で気を付ける事
まずは早稲田の数英語で抑えるべきポイントについて解説していきます。
全問マーク式
全問マーク式、つまり選択肢で答える問題は受験生にとって有利にも不利にも働きます。
有利な点としては答えがさっぱりわからなくてもとりあえず適当にマークしておけば政界になる可能性があること。4つの選択肢があれば25%の確率で正解することになりますね。
一方で選択式であるがゆえに間違えるケースも存在します。「2択までは絞れたけど間違えた~」となる場合はこれの可能性が高いです。そして、これは選択肢の作り方と密接に関係があるのです。ここでは「4つの選択肢のうち本分と一致する内容の物を選ぶ」場合を考えてみましょう。
まず、正解となる選択肢がありますね。こちらは本文と同じ内容ですが、本文とは異なる単語・表現が使われている場合が多いです。難問であるほどこの傾向を示します。
続いて残り3つの不正解の選択肢ですが、誤答の作り方にはいくつかのパターンがあります。大きく分けると下記の通りになっています。
- 本文に登場した単語を使っているが、本文の内容を言い表していない選択肢
- 本文には書いてないが一般常識で考えると正しそうに思える選択し
- 本文と似た内容になっているが、部分的に明らかに間違っている選択肢
- 明らかに間違いとわかる選択肢
受験生が引っかかりやすいのが①~③の選択肢です。4問構成の場合、2問が④の選択肢、残り1問が①~③で作られている場合が多く、2択まで絞った後に間違えるのは問題作成者の狙い通り誤答に引っかかっているからです。
対策は読解の精度を上げるくらいしかありませんが、以上の点を意識しながら選択肢を選ぶと間違いに気づけるかもしれません。日頃の問題演習から「これは①のタイプの誤答…」などと考えながら選択肢を選ぶとと良いでしょう。
問題構成
大問5つのうち4題が読解問題に関係する問題、残りの1題が文法を中心とする知識問題で構成されています。これらのことから、長文読解に関する精読力(細かい意味を読みとる力)・速読力(素早く内容を把握する読む力)の他に、標準+αの知識、整序問題の力が特に必要とされることが分かります。文章中にはたまに難しい単語が登場しますが、それらは知識として要求されているものではなく、文脈から意味を推測する力を要求されている問題です。この推測する力を養うことも重要になります。
また、選択肢も含めすべて英語で書かれているので、英語の選択肢に慣れておくことが時間短縮のコツにもなります。繰り返し過去問を解くことで慣れておきましょう。
時間・得点配分
5題を90分で解かなければなりません。英語が抜群にできる受験生でなければ中々にハードな問題と言えるでしょう。
基本的には長文にじっくり時間をかけたいところです。大問1が最も多い語数の問題なのでじっくり時間をかけましょう。30分くらいかけても良いので高得点を狙いたいです。次いで同じく長文問題の大問3と4に20分ずつ。整序問題である大問2と、知識を問う大問5は10分くらいでクリアしたいところです。
難易度と分野
時間内に完答することを想定した場合の難易度は高いです。要領よく高速に処理しなければなりません。しかし、1つひとつの問題はそれほど難しくありません。基本的な知識・読解力があれば太刀打ちできるレベルです。過去も演習をする際は必ず時間を決めてやりましょう。自由にやってしまうとこの問題の難しさが失われてしまいます。
大問のテーマとしては科学に関連する評論文が多く出る傾向にあります。学術英語や硬い文章に慣れ親しんでいないと、読みにくいと感じる可能性が高いです。これは読解のスピードにも大きく関係するので必ず対策しておきたいポイントです。
解答戦略
まずは全体のバランスから。基本的には配点が大きいと想定される長文読解、つまり大問1,3,4から解き進めていきましょう。長文が出来ないと英語で合格点に届かせるのは厳しくなります。大問2と5は得意な出題形式の方から解き進めると良いです。また、マーク式問題なので、分からない問題でもとりあえず何かマークしておくことも大切です。勘でマークした1問が合否を分ける可能性も大いにあります。
長文問題では分からない問題に時間をかけず、時間重視で解き進めることも必要です。時間に気を取られながら読む英文は全然頭に入ってきませんよね?常にある程度の時間的なゆとりを持ちながら解き進める事が大切で、そのために難問を捨てる勇気を持ちましょう。過去問演習を繰り返し「時間内に絶対解ききれる自信」を付けておくことが大切となります。
「本文と一致する内容の選択肢を選ぶ問題」には2種類あります。「文章・段落単位で読めば分かる問題」と「文章全体を読まなければいけない問題」です。
前者の問題は本文内容の展開に続いて問題が出題される傾向にあります。このような問題はあらかじめ選択肢を読んで「何が問題のテーマになっているのか」を頭に入れて本文を読み、問われた箇所(文章・段落)を読み終わった時点で問題を解きにかかることをお勧めします。つまり本文と問題を行き来する形になります。このような問題は細かい点を問われる場合が多く、精読と記憶力が必要になるので、特に英語が得意でない受験生にオススメできる解き方になります。しかし、覚える内容の量が少なくなる代わりに、時間がとられる解き方でもあるので、残り時間には十分気を付けましょう。
後者の問題は最後の設問として用意されているケースが多いです。文章の大意を問う問題なので、文章全体の中での要点を抑えておくことが大事です。
入試戦略
英語で何点取らなければならないか、自分の数学・英語・理科の学力バランスをもとに、合格のための戦略を練りましょう。模試でC判定以下ならば、まずは合格最低点+10点を目指すのが良いかと思います。
基本的に全科目5割で合計180点、あと少しで合格ラインです。ここからあと20~30点(学科によっては40点)、どの科目のどの分野で稼ぐか考えていきましょう。
数学について考えていきましょう。
英語が得意ならば90点以上を目指しましょう。合格がぐっと近づきます。他の科目で多少の苦手があっても安心できる点数です。
英語力が普通だと思うのならば、長文に時間をかけて72点(6割)以上は取りたいところです。大問1,3,4の各設問に対して自信をもって答えるように意識しましょう。解答の根拠まで述べられると良いです。
英語が苦手ならば、まずは半分を目指しましょう。残りの数学理科が十分良く出来るのであれば最悪4割でも構いません。全問解答できなくてもかまいません、長文に時間をかけて着実に得点を積み重ねることを意識しましょう。
勉強方法
英語の勉強方法・スケジュールについて紹介していきます。
質と量
勉強の質と量は頻繁に議論されている話題でもありますが、英語に限って言えば量なくして質はないです。たくさん問題を解きましょう。何回も単語帳・文法書を読みましょう。正しい知識をたくさん身に付けて初めて質の高い勉強が出来るようになります。
単語
単語帳は2冊仕上げることを目的に勉強を進めると良いでしょう。1冊目の8割を覚えたと思ったら2冊目に移ります。
覚え方は人それぞれですが、文章、つまり例文の中で覚えると使い方をイメージしやすく、すんなり頭に入ってくるかもしれません。
オススメの単語帳はこの2つ。
DUOは単純に単語を暗記するのではなく、文中の使い方とセットで覚えることが出来るので記憶に残りやすいです。
DUOで基本~やや難レベルの知識を吸収した後は鉄壁に移ると良いでしょう。
レベルの高い単語が収録されているだけでなく、接尾語接頭語などの知識もつくので、知らない単語の意味を推測する力も身に付きます。
英単語の知識に不安がある人は、ターゲット1900から始めて基礎を固めるのもグッドです。
文法
基本的な文法は勿論、語法やイディオムも覚えましょう。文法書を何冊もこなす必要はありませんが、1冊を完ぺきにマスターすることが大事です。知識は使うことで定着していきます。問題集を活用してどんどんアウトプットしていきましょう。
オススメはVintageかNextStage
どちらも問題と解説が1対1に対応していて、インプットとアウトプットを素早くトレーニングできる参考書です。
また、受験期直前にひたすら問題演習がしたいならばこちらの2冊がオススメです。
どちらも「英文法ファイナル」の名で通ってる問題集ですが、緑の方が標準レベル、ピンクの方が難関大レベルとなっています。
と言っても、緑色でも十分難しいです。
知識があやふやな状態で使うとかえって学習効率が落ちるので、最後の仕上げの感覚で使うと良いでしょう。
所謂文法の穴埋めだけでなく、文章補充や会話問題も収録されています。
長文
早稲田の英語を時間内に解ききるためには、速読力と精読力の両方が欠かせません。
速読力を鍛えるには英語に沢山触れる必要があります。1日1長文を目標に、毎日英文を読んでいきましょう(最悪問題を解かなくてもかまいません)。英語を読む力だけでなく背景知識を身に付けることもできます。知らない単は都度調べて自身の糧としていきましょう。
精読力を鍛えるには、単語・文法・構文の知識が欠かせません。和訳問題を題材に、細かいニュアンスの訳出まで意識して問題演習行う。そして模範解答を手本に英文の流暢な日本語訳や英語独特の表現を吸収していきましょう。
とにかく量をこなして速読力を鍛えるのならば英語長文問題精講が、
ある程度力がついてきて速読・精読をバランスよく伸ばしたならポレポレがオススメです。
勉強計画
勉強計画を立てるのは長い受験生活を乗り越えるために有効です。勉強の記録だけでなく計画を立てることで、目標とやらなければいけない事、目標に対する進み具合が明確になります。そうすれば受験の不安や焦りが和らぎます。月毎、週毎、日毎にやることを決め、学習の管理が出来ると良いでしょう。
計画は修正するものです。当初立てたものを頑なに守ろうとするのではなく、自分の状況に合わせて細かく変更していくのが継続のコツです。
英語力は読んだ英文の量、覚えた知識の量に比例して伸びいていきます。数学のように特定分野を重点的にやれば得点が一気に伸びるという事はありません。現状の学力がどうであれ、焦らず自身のレベルに会った単語・文法・長文の演習から始めるべきです。正しい積み重ねが何よりも重要と言えるでしょう。
ここからは高校3年生のスケジュールを想定して、英語の勉強の進め方について紹介していきます。
4月~7月
基礎固めの期間。易~並程度の問題集を用い、易しい入試問題で英文の読み方・解き方を学習しましょう。単語・文法書には毎日触れるのが良いです。また、長文読解で出会った未知の単語は随時調べておきましょう。単語などの知識は1度で覚えようとせずに、何度も何度も繰り返し勉強する意識でいましょう。身に付くまで辛抱強くやりましょう。
センターレベルの知識・読解力はこの時期に身に付けておきたいです。スピードはまだ意識しなくてよいですが、英語力の土台は固めておきたい時期になります。
8月(夏休み)
ある程度知識がついてきたらと感じたら、時間を決めて入試問題にチャレンジしてみるのが良いでしょう。長文問題だけ、大問○だけ、というとき方でも構いません。入試を意識した問題にチャレンジするのが重要です。整序問題や、英語で書かれている設問に取り組むのもオススメです。
問題集は少し難しめの物にレベルアップしておきましょう。常に「少し読みにくいな」くらいの英文で演習することが大切です。易しいと感じる英文を読んでも英語力は伸びません。
単語帳は1冊目を終了し、2冊目に入るのがオススメです。1冊目を8割ぐらい覚えたと感じたら次に進みましょう。文法書の理解にも自信がついてきたら文法問題のみの問題集でどんどんアウトプットしていきましょう。覚えた知識は使うことで定着していきます。以下の問題集がオススメです(赤色の難関大編までやれると良いです)。
遊びすぎも良くないですが、根を詰め過ぎるのも良くありません。最低でも週に半日程度はリラックスできる時間を設けるのが良いと思います。受験勉強はあと半年くらい続くのですから…
9月~12月
入試に備える期間。夏までの基礎をベースに、難しい英文にチャレンジしていきましょう。学校行事が忙しく、思ったように勉強時間が取れないかもしれませんが、焦りは禁物です。着々とやるべき事を進めましょう。
この時期は過去問をガンガン解くべきです。過去問1セット(年単位)を基本に、実際の入試問題に近い形式・時間配分で取り掛かるべきです。上述の通り早稲田の英語は慣れが重要。繰り返し説くことで自分の得意不得意を見極めると共に、時間内に解ききれると実力・自信を養成していきましょう。
1月~受験日
最終調整の期間。早稲田の入試は2月の中旬ですが、それまでにもセンター試験、私立大学の受験がありますね。体調管理には気を配り、何れの試験にも万全の体調で臨む事を心がけましょう。実際の入試本番は想像以上に体力を使います。休養と勉強のメリハリを付けましょう。
まとめ
この記事の要点を振り返ってみましょう。早稲田理工の英語入試で重要なのは、
- 英語は一日にしてならず。毎日コツコツ学習する
- 時間が難しさの原因。時間内に解ききる力を過去問演習で身に付ける
- 英語の出題・マーク式の設問の作り方を把握し、騙されない
- 毎日長文を読んで速読力・精読力を養う
です。そのほかにも勉強計画を立てたり、自分なりの戦略をもって試験に臨むのは、全ての入試に共通するポイントです。
受験勉強はつまらないかもしれませんが、目標に向けて努力するこの経験は必ず活きるはずです。頑張りましょう!
数学はこちら
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今回はこの辺でお終いに!それではまた次回!