となりの経営工学科

現役早大生が経営工学について紹介しています。その他数理科学、学内行事、就活、オススメの本についても書いています。

経営工学科の就職①~データサイエンティスト~

お久しぶりです。2018年も折り返しですね。平成最後の夏をどのように過ごすか、もうお決まりでしょうか?

あと1ヶ月もすれば夏休みです。大学生にとって夏休みとは、、、何かを成し遂げるには短く、無計画に過ごすにはあまりに長く感じられるものです。夏休みのご利用は計画的に。

 

この記事では経営工学科(経営システム工学科)の就職について話す企画の第1弾として、「経営工学とデータサイエンティスト」について述べていきます。

実はこのブログ、Google検索とYahoo検索からのアクセス数の約半分が、以下の記事に集中しています。経営工学科の学生がどういう所に就職していくのか、皆さん気になるのでしょうね。(その答えは下の記事に書いてあります!)

industrialengineering.hatenablog.com

 

 

 

データサイエンティストとは

データサイエンティストと言えば、世界中で話題となっている職業です。2012年に刊行されたHarvard Business Reviewでは、「The Sexiest Job of the 21st Century.(21世紀で最もセクシーな職業)」と評しています。また、3年連続でアメリカのベスト・ジョブに選ばれています。(出典:The best jobs in America in 2018 - Business Insider

こちらのランキングによると、給料の中央値は11万ドル(平均が約4万~5万ドル)、労働者の満足度も高い数値を誇っています。求人も多く、慢性的な人手不足のようです。というのも、データサイエンティストに求められる要素をすべて兼ね備えた人材がなかなかいないから、だそうです。データサイエンティストに分析スキルが必要なのは勿論の事、マネジメント力や意思決定のサポートなどビジネスを推進する力も求められます。

日本においても情報の重要性や人材不足の問題が生じていることは同様です。しかしまだまだ馴染みのない職業であり、企業の教育・研修制度も確立していないことから即戦力を求める傾向にあるようです。転職サイトによると日本では300~900万円での募集が多いようです。因みにこのような提示場合は、ほぼ下限で決着がつくようです。このブログでも何度か紹介しているTJOさんがそう仰っていました。

tjo.hatenablog.com

その他、データサイエンティストに関するあれこれを知りたい方にはこちらがオススメです。仕事内容やスキルセット、1日のスケジュールまで分かり易く書かれています。

www.businessinsider.jp

 

経営工学科との相性

経営工学科(特に統計等を専攻した学生)とデータサイエンティストは相性が良いです。カレーとジャガイモくらい。

経営工学科では経営に関する問題を扱います。財務諸表の分析、マネジメント、意思決定、資料作成・プレゼン、これらを学ぶことが出来ます(私の大学では必修科目となっています)。データサイエンティストに要求されるスキルセットの中の、ビジネスに関連する部分を身に付けることが出来るでしょう。

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また、プログラミング、データ分析、最適化など、工学的な問題解決の手法を学ぶことが出来ます。統計・ソフトウェア・最適化・機械学習を研究対象とする研究室では、これらの能力をさらに伸ばすことが出来るでしょう。データ分析のスキル身に付けることはデータサイエンティストに不可欠です。

早稲田大学の経営システム工学科では、大学のカリキュラムによりデータサイエンティストの3要件である課題解決能力統計・データ分析コンピュータサイエンスを学べることが出来ます。さらに、多種多様な演習授業により実践力を養うことが出来ます。

各領域を専門的に学ぶことが出来る学科はありますが、複数の領域にまたがり、実践力を高めることが出来る学科は殆どありません。経営工学科はその中の1つです。

 

また、最近では専門的にデータサイエンスを学ぶことが出来る、データサイエンス学部が誕生しています。横浜市立学部や滋賀大学がそれに該当します。

学部・研究科紹介 – 滋賀大学 データサイエンス学部 / 研究科

データサイエンス学部 | YCU 横浜市立大学

素晴らしい事だと思います。個人的には、データサイエンティストを目指すのであれば経営工学を学ぶ方が良いと思ったり。。。というのも、経営工学科の方がカバーする領域が広く、多様なスキルを獲得できると感じるからです。経営について学ぶことも大きな強みだと感じます。

 

経営工学科でデータサイエンティストを目指すなら

新卒の段階でデータサイエンティストのスキルセットを全て兼ね備えている必要は、必ずしもないでしょう。そのような人材は中途市場でも不足しているくらいです。

在学中に出来る事を考えます。まず数学を勉強しましょう。特に統計学線形代数。これらのは必要不可欠です。コンピュータサイエンスの知識も身に付けておけると良いですね。経営の勉強もしっかりやっておきましょう。企業やビジネスに対する理解も重要です。

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そして個人的に一番大事だと感じることは、それらを(強制的に)学ぶことが出来る研究室に進むことです。学習環境が充実しているだけでなく、データサイエンティストとして活躍しているOBOGがいる可能性が高いです。私が所属する研究室についても、データサイエンティストとして活躍している先輩が大勢います。

大学生活の中では、授業で数学・コンピュータサイエンスの勉強を、研究で分析スキルを、長期インターンでビジネスについて勉強するのが良いのではないでしょうか。

 

終わりに

データサイエンティストに学部学科の縛りはありません。文系学部でも自主的に勉強していればなることもできます。あくまで経営工学科はその環境が充実しているだけです。目指すのであれば相応の努力が必要でしょう。

また、この職業の歴史は浅く、色々と未整備な部分が多いように思われます。分析手法の移り変わりも早く、社会に出た後も常に学び続けなければなりません。決して楽ではない世界ですが、頑張り続けることが出来れば高い収入とやりがいを得られることでしょう。現在の日本で高収入はあまり期待できないので、英語を勉強して外資系企業に入るのが良いかもしれません。

 

今回はこの辺でお終いに!それではまた次回!