となりの経営工学科

現役早大生が経営工学について紹介しています。その他数理科学、学内行事、就活、オススメの本についても書いています。

経営工学科に向いてる人って?~就職編~

今回はこちらの疑問に答えていきます!

「経営工学科に向いてるのはどんな人?」

 

色んな見方があると思うのですがここではひとまず、卒業後の進路や就職先から経営工学科に向いてる人を考えてみようと思います。

経営工学科への進学を考えている人もそうでない人も、やりたい仕事が決まってる在学生、或いは卒業後の進路に不安を抱いている学生も、この記事を読めば大丈夫です!

 

今回は私が所属する早稲田大学創造理工学部経営システム工学科の卒業後進路を紹介していきます!

リンク:経営システム工学科 - 早稲田大学創造理工学部

今回使用したデータは上記の物になります。

因みにこちらのホームページ、2018年の4月2日にリニューアルされました。

以前の古臭い歴史を感じるホームページから、オシャレなデザインに変わってます。やったね。

 

 

学部生のその後

学部と修士の違いがよく分からない、という人のために解説します!

大学生にも実は複数の種類があるんです。

まず基本的に入学後4年間は学部生として生活します(留年や休学をすると更に伸びます)。

学部生時代の勉強は、専門領域の基礎知識を身に付けることが主な目的です。

中には飛び級して3年で学部生を終える人もいれば、運動やアルバイトに力を入れて学部を5,6年経験する人もいます。

 

さて、学部生の4年間が終わると全員一度卒業して、その後は

  • 就職して社会に出る
  • 大学院に進学し、大学院生として専門的な勉強を2年やる

と別れていきます。

 

進学か、就職か

理系学部生にとって大学院進学はよくある選択肢です。

大学院での勉強は、専門領域の深い知識と・技術の獲得を目的としており、プラス2年多く勉強(研究)することで特定分野のスペシャリストとなることが期待されます。

この就職 or 進学の分岐では一般的に「文系学部生の多くは学部卒で就職するが、理系学部生は大学院に進む割合が高い」と言われています。

詳細なデータは割愛しますが、こちらの文部科学省学校基本調査-平成29年度結果の概要-をチェックしてもらえると、その事実が分かります。

 

早稲田大学ですと、理系学部生は8割前後の人が大学院に行くのではないでしょうか。

多くが大学院に進学する理系学生ですが、学部で就職するメリットは大学院生に比べて2年間早く社会に出ることが出来るので、その分お給料を早くもらえたり、社会経験を多く積むアドバンテージなどが挙げられます、

「研究に向いてないから」や「研究が大変でこれ以上やれない」という理由で就職する人も少なくありません。

反対に、 大学院を出て就職するメリットは、初任給が学部卒より高い、専門職への就職可能性が高まる、などが考えられます。

初任給について学部卒よりいくら高くなるかというと、一般的な日本企業だと月給で約3万円前後、コンサルや外銀などで年収で30万前後くらいでしょうか。

 

他学科より低い?経営工学科の進学率

理系学部生は文系学部生に比べて大学院に進学する割合が高い、ことは分かりました。

では、経営工学科の大学院進学率について見てみましょう。

 

以下の画像は、経営システム工学科における学部生の進路になります。

左側が2016年度の、右側が2013年度のモノになります(サイトリニューアルにより表示形式も変わったみたいです)

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(出典:経営システム工学科 - 早稲田大学創造理工学部

 

直近のデータですと約36%の人が大学院に進学するようです。

2013年のデータでは54%となっているので、この3年で進学割合が18%も低下したことが分かります。

新卒市場が超売り手であることも、経営工学科の進学率を低下させてる大きな要因ですね。

理系学部で4割に満たないのは正直驚きです…

進学率比較のために、同じ創造理工学部総合機械工学科を見てみると、大学院進学率は”およそ60%”

めちゃくちゃ忙しいことで有名な先進理工学部応用化学科の進学率は77%

さすが忙しいことで有名な先進理工学部・応用化学科!…ってこれ2005年の情報ですね。古い…いい加減更新したほうがいい気がします。

 

どうやら経営システム工学科は、理系の中でも特に進学率が低い学科のようです。

経営工学が「経営に関する諸問題を工学的アプローチで解決する」学問なので、活躍の場は広く用意されています。

学問を究めるよりも身に付けた知識を実社会で使いたい、という意識を持った学生が多いのでしょうね。

また、他学科と比較して「大学院進学率が当たり前」という空気も殆どないですし、大学3年の冬で「大学院に行くかはまだ決めてない」という人も結構います。

 

 ということで、経営工学科は

「理系だけど速く社会に出て活躍したい」

「大学院に行くかは大学入学後に決めたい」

という人に特におすすめできる学科です!

 

就職先も多種多様!広がる活躍フィールド

まずは学部卒で就職した人だけを見てみましょう。

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先ほどの画像を見ると就職先の業界は、理系らしい情報通信・インターネットの他にも金融・保険・証券が多いですね。

実際に経営工学科では、IT・ソフトウェア・数理科学に関する授業以外にも、経営や金融についての授業が結構多くあるんです。経営工学ということで、4大経営資源である「ヒト・モノ・金・情報」に関する事は一通り学べます。

どの業種の企業でも経営工学の知識が活きるポジションは必ずあるので、業種業界に縛られずに企業選びが出来るんですね。ということで、卒業生は様々な業種に進んでいきます!(税理士になったOBもいます)

 

ところで、2016年と2013年の就職先を比較すると、トレンドの変化がみてとれます。IT業界は勢いがありますね。科学技術の発展とIT業界の人手不足問題はまだ続きそうですから、今後もこの勢いはしばらく続くと思われます。

 

ところで、理系というとゴリゴリコードを書くエンジニアや、作業着を着て働く姿を想像するかもしれません。

確かにSE(システムエンジニア)や技術者になる人もいますが、経営工学科ではそれ以外の働き方も選ぶことが出来ます!

広告代理店総合商社ディベロッパに就職する人も少なくないです。

勿論、専攻した知識を活かして品質管理やSCMの知識を活かしてメーカーなどに就職する人も多いです!

 ということで、経営工学科は

「勉強内容で就職先を絞りたくない!」

「大学に入った後でやりたい仕事を選びたい!」

という人にもお勧めできます!

 

大学院生のその後

さて、ここからは大学院生にフォーカスしていきます。今回は博士課程は考えないことにします…実際まわりに全然いないし(汗)

 

さて、大学院に進むとより専門的な勉強が出来ます。学部生に比べ、深い知識や専門技術を身に付ける事が期待できます。

高度な・専門性を要求される職業につくことが出来る、他の学部生より高い評価を受けやすい、初任給が高い、などなど、大学院進学はメリットが沢山あります!

 

経営工学科の大学院

早稲田大学の経営システム工学科では3年秋に研究室配属があります。

そこから研究の土台となる勉強し、研究テーマを選び、専門的な学習を積み、研究をし…これを1年半の期間でやらなければなりません。時間的に結構きついです。

本格的な研究をしたいのなら是非大学院に行くことをお勧めします!

また、経営システム工学科(学部)は大学院で

  • 経営システム工学専攻
  • 経営デザイン専攻

に分かれます。(別れた理由には大人の事情などがあるらしい…)

 

幅広い業界!高い専門性!圧倒的に強い大学院就職

世の中には大学院を卒業した人しか募集していない企業や職種があります。研究開発職や、コンサルタントがその例です。(もちろん例外もあります)

それらでは、高い専門性・ずば抜けた問題解決能力などが要求されます。

2年間多く勉強している大学院生はその点が評価され、これらの職に就ける可能性が学部生よりも高くなると言えるでしょう。。

つまり大学院に進学すると、学部生ではチャレンジできなかった企業に挑戦できる、就職先の選択肢が増えるという利点が生まれるんですね、

 

さて、大学院生の進路を見てみましょう。

先ほどと同じく、左側が2016年度、右側が2013年度の卒業生のデータになります。

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専攻によって就職先の割合が異なりますね。

こうして見ると学部生同様、大学院生も多種多様なフィールドで活躍していことが分かります。どこの業界でも通用する高い専門性を獲得できるのが、経営システム工学科の大学院の魅力と言えるでしょう。

 

 大学院進学をすでに考えているのならば、

「業界を問わずに活かせるスキルを身に付けたい!」

「専門性が欲しいけど業界は限定したくない!」

という人に特に向いています!

 

まとめ

就職という大学の出口から、経営工学科に向いてる人を考えてみました。

幅広い業界・職種で活躍しているので、経営工学科に進んだから進路が限定されるという事はありません。

寧ろ「やりたい仕事とか全く決まってない」という人にうってつけの学科ですね。

個人的に好奇心旺盛だったり優柔不断だったりする人に向いてると思います。

「当てはまるかも…」と思ったら経営工学科を考えてみてください!

 

今回はこの辺でお終いに!それではまた次回!

 

勉強内容で見た”向いてる人”はこちら!

industrialengineering.hatenablog.com

在学生が語る「経営システム工学科を選んだ理由」はこちら

industrialengineering.hatenablog.com

資料作りをちゃんと学べるオススメ本7選~きちんと伝える美しいデザインの勉強~

この記事は資料作成に悩む人向けです。

 

突然ですが、資料作成って何となく勘や経験でやっていませんか?

資料の作り方や見せ方について教わる機会ってほとんどないですよね。

大学の授業やゼミ、社内会議など発表資料を作る機会はたくさんあるのに、、、

 

多くの人が資料作成のノウハウを、断片的な知識のつなぎ合わせや、完全な自己流に基づいてやっています。

しかし実は、良い資料の作り方は体系的に整理されています。

 

今回の記事では、相手に伝わる良い資料を作る基礎となる本から、デザインに凝った美しい資料作成のための応用の本まで、レベル別に紹介していきたいと思います!

すべて独学で脱初心者、上級者へとステップアップできるラインナップです!

 

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基礎から固める3冊

まずは、教授からゼミ資料の見せ方についてダメ出しをされる、スライド作成に自信がない人向けの本の紹介です。

 

社内プレゼンの資料作成術

プレゼントは何か、どうあるべきか、などの概念からテクニックまで、幅広く学ぶことが出来る1冊です。

スライドを作り始めようとするも手が止まってしまう、スライドを途中まで作り直す、これらの経験がある人には是非読んでほしい。

スライドを作る前のステップから解説してくれているのが嬉しいポイントです。

資料作成が苦手意識がある人は取り敢えずこれに頼りましょう。

 

短時間、少ない枚数で大事なことを伝えるコツが紹介されているので、ゼミをさっさと切り上げたいけど怒られたくない、怠け者理系学生にオススメしたいです。

また、スライド作成の手順、フォント、色遣いの基本など、無意識のうちに実践している事を言語化、体系化して分かりやすく整理されているので真似がしやすい。

更に、良いスライド例と悪いスライド例が載っているので、スライド作成に慣れていない人でも視覚的・直感的に良いスライドのポイントを理解することが出来ます。

資料作成に不自由があるならまずはこれで決まり。

 

一生使える見やすい資料のデザイン入門

見やすさ、分かりやすさの基本のキから学ぶことが出来る1冊です。

この本を勉強すれば、無意識にやりがちな「見やすさ」への配慮を、きちんとテクニックとして意識的に行えるようになるでしょう。

ビフォーとアフターで見やすさを比較してくれているのが嬉しいポイント。

見やすい資料のコツをこの1冊で習得できます。

「資料は作れるけどなぜか見にくくなってしまう」という人お勧めしたい本です。

お手頃な価格もうれしいポイント。

外資系コンサルのスライド作成術―図解表現23のテクニック

シンプルな資料を目指すならこの1冊。

シンプルなスライド作成に特化したパートは、資料作成にそこそこ自信のある人にも是非読んでもらいたい内容となっています。

また、『社内プレゼンの資料作成術』よりも、グラフやチャートの作り方について、テクニックや考え方が詳しく書いてあります。

グラフやチャートの見せ方で悩む人、ごちゃごちゃしたスライドから卒業したい人にオススメの1冊。

 

外資系コンサルのスライド作成術』にはもう一つ『作例集』という本があります(下記リンクの右側)。

こちらは、多数の実例を紹介しており、資料の引き出しを増やすのに役立つ1冊です。

 

上級者を目指す、デザインを学ぶ4冊

ここからは資料作成という枠組みから飛び出し、デザインを勉強できる、読み物としても充分楽しい本たちを紹介していきます。

非デザイナーがデザインの知識を身に付けるのに適した3冊、デザインに関する知識が身に付くと世界にデザインがあふれていることに気が付けて楽しいですよ。

 

ノンデザイナーズ・デザインブック

言わずと知れたデザイン本の名著です。

本の帯にもある通り、デザインの4つの基本原則についての詳説がメインです。

「このチラシの問題点を3つ挙げてください」などの、練習問題も多数掲載されているので、勉強した知識をすぐに使うことが出来ます。

これを読めば資料作成のみならず、チラシ、名詞、広告など様々な場面に活かせる、デザインの知識と事例が身に付くはずです。

色・活字については必要最小限の説明ですが、非デザイナーにはこれくらいで充分なのではないでしょうか。

原著は海外の物ですが、日本語デザインに対応したパートもあります。

これすごい好きだなぁ

なるほどデザイン

副題の通り、『目で見て楽しむ』ことが出来るデザインの本です。

とにかく分かりやすさが凄い!

本当に読んでいて楽しいのですが、それ以上に「なるほど…」と唸るようなエッセンスが凝縮された1冊です。

『ノンデザイナーズ・デザインブック』よりも視覚的に学ぶことが出来るため、「飽きっぽいから勉強は苦手」という人でも楽しくデザインを習うことが出来ます。

高度なデザイン知識の勉強はできませんが、デザインに関心を持ち始めた人の、興味をぐっと加速させてくれる内容満載です。

デザインって目的なんですね…!

けっきょく、よはく。

『余白を活かしたデザインレイアウトの本』という副題がすべてを物語っています。

私はこの本で余白の力と余白の使い方を知りました。

余白も正しく使えばちゃんと武器になるんです!

余白恐怖症の人もこの本で余白の使い方を勉強すれば、洗練された1つ上のデザインが出来るに違いありません。

自分の作るものは大抵ごちゃごちゃしてる…そんな人にこそ読んでほしいです。

デザインも人生も余白あってこそなのかもしれませんね。

配色アイデア手帖

見ているだけで楽しい本をもう1冊、それがこちらの『配色アイデア手帖』です。

シーンや雰囲気、イメージ別に色とその配色の事例がたくさん紹介されています。

図鑑的な楽しみ方もできるし参考書的な活用法もできる、まさに万能の1冊。

本当見てるだけで楽しいし、配色の参考にもなります!

色の組み合わせ方1つでガラッと印象が変わるということに気づかせてくれます。

見開き1テーマの構成も、見やすくて嬉しいポイントです。

 

おわりに

スライド資料のノウハウを学べる本3冊と、美しい資料作成のためのTipsが学べる本4冊を紹介させて頂きました。

真似するだけで自分の資料が劇的に変わるので、是非とも参考にしてみてください!

また、書籍ではありませんが下記サイトでもデザインを勉強することが出来ます。

こちらはスライドシェアでの特集となっています。

ferret-plus.com

今回はこの辺でお終いに!

それではまた次回!

私大入試目前!センター試験後にするべき10の対策

受験生の皆さん、センター試験お疲れ様でした!

 

上手くいった人もそうでない人も、気持ちを切り替えて迫りくる私大入試に備えましょう!

特に、国立志願者などセンター試験の注力していた人ほど、センター試験のリハビリを頑張らなければいけません。

今回の記事はセンター試験を終えた理系の受験生が、私大入試までにするべき○つの事を解説していきます。

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数学

最初は数学から。数学のリハビリは大変です、気合入れて頑張りましょう!

記述解答の感覚を取り戻す

穴埋め問題のセンター試験に慣れすぎて、解答作成能力が低下している受験生が毎年います。

記述式の数学を用意している私大は多くないですが、早稲田理工3学部は5問全て記述式です。

式変換やパラメータの設定で、どのような作業をしているか説明する癖がついていますか?ない人は要注意です。

自分が分かるのと人に理解してもらうのは別の能力。

採点者に伝わるように考えをまとめる作業はトレーニングしていないと衰えていく一方なので、「センター試験の勉強しかしてなかった」という人ほど、記述式解答のリハビリを頑張ってください。

 

融合問題の感覚を取り戻す

センター試験の問題は分野ごとに分かれているものが殆ど。

誘導があり、使用する手法も限定されているセンター試験に慣れすぎると、融合問題を解く力が落ちてしまいます。

融合問題を解く力とは、「問題に対して様々なアプローチを試し、異なる知識を掛け合わせ、試行錯誤を繰り返しながら、正しい筋を見極めること」を指します(勝手に定義)。

 

融合問題は合否を分ける問題の代表格として、毎年のように登場します。

この試行錯誤を繰り返す感覚や、知識の掛け合わせスキルを取り戻すために、融合問題にフォーカスした演習を行うことが大切です。

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数Ⅲの計算力を取り戻す

センター試験対策で一番失われるのが計算力。

特に数Ⅲの積分や、体積・曲線系の繁雑な計算が、センター後に出来なくなっている受験生が多いです。

この力、あなたは大丈夫ですか?

早稲田の数学では、数Ⅲの計算力が必要不可欠です。解答時間に大きく影響します。

不安がある人は一度、問題集で積分計算の確認や、求積問題・曲線問題の復習を行っておくと良いでしょう。

 

英語

お次は英語です。

「センター英語で9割取れたから大丈夫」と思っているそこのあなた、意外な落とし穴があるので要注意です。

単語推測力を鍛える

センターに登場する英単語の殆どが基礎レベル。

しかし、私大では時に、単語帳に載っていないレベルの高い単語も登場します。

そしてそれが解答の鍵を握っていることも…

こうした問題を解く際には、その知らない単語の意味を文章の流れや接頭語・接尾語の知識を用いて推測する力が必要不可欠です。

センター英語に慣れるとこの知識・力が失われているので、再度ブラッシュアップする必要があります。

勿論、センターより上の難関レベルの知識を身に付けるのも合格の必須条件です。

文法力・構文力を磨き直す

単語同様センターに登場する文法・構文は平易なものばかり。

ぬるい練習に慣れると折角身に付けたハイレベルな知識も抜けていきます。

センター後の今のタイミングは、難しめの問題集で知識を再度整理することが大切。

様々な出題形式で英語力を問う早稲田理工の英語入試では、抜けのないハイレベルな知識が求められるので、残りの期間で知識のレベルを一気に引き上げましょう。

 

精読力を磨く

文量の多さが目立つ早稲田の英語ですが、精読が出来ないと選択肢が絞れません。

良くあるのが「2つまで絞れたんだけど、最後の二択で間違えた」というパターンですが、最後の二択こそ精読が鍵を握ります。

センター英語は、段落の大意を把握できれば正解してしまうような長文問題が多いので、この読み方に慣れ精読力が低下すると、私大入試では”手応えの割に点数が伸びない”という状況に。

過去問を積極的に活用して精読力を取り戻しましょう。

 

理科

最後に理科のリハビリについて解説していきます。

記述解答の感覚を取り戻す

数学でも紹介したこのリハビリ、理科の入試においても重要です。

早稲田理工では物理・化学それぞれに1問、記述で解答する出題があります。

センター試験の穴埋めや選択形式の問題に慣れていると、記述解答で躓いてしまう恐れが…

特別な対策を講じるというよりは、日々の問題演習で記述解答を意識した答案づくりを心掛ける事が大切です。

 

問題の流れを読む力を取り戻す

早稲田理工の理科では、小問集合を除き、大問1つにつき1つのテーマで構成されています。

大問1つは約10の小問から構成され、合格点獲得のためには完答がとても重要になってきます。

早稲田レベルの理科で完答を成し遂げるのは簡単な事ではありませんが、それを実現するときに大切なのは「問題に流れ」があるという視点。

出題テーマが何で、前の小問では何を問われ、次の小問では何が問われているのか。

問題の前後と大枠に目をやることで、目の前の問題で使うべき手法や知識が明らかとなることがあります。

センター試験では、問題同士の関連が薄かったり弱かったりするのでこの意識が抜けてしまいがちですが、私大の理科では重要なヒントの一つでもあるので、問題の流れというものを意識して解く癖をつけると良いでしょう。

 

おわりに

私大入試までに継続してやるべき事があと2つあります。

それは、体調管理規則正しい生活です!

インフルエンザの猛威などが話題になっていますが、予防接種を受けたからといって安心してはいけません。

良い結果を出すためには、良い状態で挑む必要があります。

くれぐれも無理はしないで、残りの期間を駆け抜けてください!

 

今回はこの辺でお終いに!

それではまた次回!

センスが光るコーポレートメッセージ7選!

企業CMなどで耳にするフレーズの中には、つい口ずさんだり覚えてしまうものがありますよね!

そういうものを一般的に企業メッセージやコーポレートメッセージと呼び、企業のブランド戦略などを表していたりします。

今回はそんなコーポレートメッセージに焦点を当てた記事です!

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はじめに

コーポレートメッセージとは

コーポレート・メッセージとはキャッチフレーズないしスローガンのうち特に企業としてのメッセージを伝達するものをいう。

とあります。(出所:コーポレート・メッセージとは - コトバンク )

  

企業理念や企業が提供する価値を、簡潔にわかりやすくまとめたものコーポレートメッセージなんですね!

 

今回は企業のコーポレートメッセージに焦点を当て、調べた中で特に印象に残った7社のメッセージを紹介します!

 

 

調査概要

調査期間:2019年1月13日、14日

調査方法:筆者が1人でちまちまHPを訪問してメモを取る

調査対象:就職希望企業ランキング、総合職編の1~50位+α の約60社(就職希望企業ランキング:https://job.career-tasu.jp/2019/guide/study/ranking/

備考:コーポレートメッセージか否かの判断が難しい場合には、社長メッセージ、中長期経営計画などから選出しています。

 

伊藤忠商事

ひとりの商人 無数の使命

www.itochu.co.jp

 

最初は就職希望企業ランキング第2位、いま総合商社で最も勢いがある(独断と偏見)伊藤忠がトップバッターです!

 

伊藤忠と聞くと、野武士、体育会系、挑戦的、などのキーワードを連想しますが、企業メッセージの発信においては非常にスマート、個人的には商社で一番のやり手だと感じます。

 

この『ひとりの商人 無数の使命』という言葉は、伊藤忠の企業理念「豊かさを担う責任」と、商社の本質を端的に表現出来ているのではないでしょうか。

 

また、正月広告というシリーズでは、『すすめ商人。次の世へ。』や』『働く人みな、ずーっと健康』など、語感が気持ちいい言葉が並んでいます。(出所:「コーポレートメッセージ」シリーズ|伊藤忠商事株式会社

 

 

ということで、企業理念と商社の本質を上手く表現し、コーポレートメッセージの発信に熱心な伊藤忠の紹介でした!

 

トヨタ自動車

Drive your Dreams. (2000)

Fun to Drive, Again. (2011)

Mobility for All.  (2018)

www.toyota.co.jp

 

続いてランキング第5位、世界的自動車メーカーのトヨタ自動車からのご紹介です!

経営工学を学ぶ皆さんは「カンバン方式」でお馴染みの企業ですね。

 

世界をまたにかけるグローバル企業ということで、コーポレートメッセージも英語で書かれています。

『Drive your Dreams』や『Fun to Drive, Again』なんかはトヨタがお客様に届けたい価値を分かりやすく表していますよね。

高品質な車を提供するだけでなくその先にある”走る喜び”を届けたい、的な(個人の意見)

 

『Mobility for All.』

この言葉は、こちらの社長メッセージで言及されています。

 

”私は、トヨタを「自動車をつくる会社」から、「モビリティカンパニー」にモデルチェンジすることを決断しました。すなわち、世界中の人々の「移動」に関わるあらゆるサービスを提供する会社になるということです。”

 

これは厳密にはコーポレートメッセージではないのかもしれません。

しかし、トヨタが進む未来を明確に示す、重要な言葉だと感じます。

 

資生堂

一瞬も 一生も 美しく

www.shiseidogroup.jp

 

ランキング第9位、国内化粧品トップシェア*1を誇る資生堂の紹介です!

痺れるくらいカッコいいですね。

 

この『一瞬も 一生も 美しく』は、資生堂が作る商品が提供する価値と、資生堂という企業の社会的責任を表しているそうです。

企業理念の「美しい生活文化を創造する」を含みながら、資生堂ブランドを絶妙に表現できているのではないでしょうか。

 

あと個人的に、「一瞬も」と「一生も」の後ろにある微妙なスペースも好印象です。安易に句点を使わないあたりがサイコー。

 

デンソー

Crafting the Core

www.denso.com

 

お次はランキング第19位トヨタグループの一員にして自動車部品世界第2位*2デンソーです!

 

BtoB企業ではないので学生の中には知らない方もいるかもしれませんが、就活生目線で見ると業界屈指の優良企業です。

 

デンソーは上での紹介の通り、自動車の熱機器関連やエンジン関連の部品をメインとしています。

自動車のコアを作っているわけです!

2017年に新しく制定された『Crafting the Core』

この言葉には、「クルマのコア、そして未来のコアを作り出す自らの手で創り出す」という想いが込められているようです。

 

あとPC版のブランドサイトがカッコいいので見て欲しい

brand.denso.com

三井不動産

都市に豊かさと潤いを

www.mitsuifudosan.co.jp

 

ランキング第44位、業界最大手*3三井不動産からの紹介です!

 

丸の内を抑え圧倒的な収益基盤を持つ三菱地所に対して、三井不動産は再開発により安定した事業基盤を築いてきたと言われています。

 

日本橋豊洲、新宿、日比谷…現在も数多くの都市の再開発を担う三井不動産

この『都市に豊かさと潤いを』という言葉からは、三井不動産が創る街のビジョンをはっきりと感じますね!

 

一方の三菱地所(ランキング第56位)のコーポレートメッセージは

人を、想う力。

 街を、想う力。

(出所:三菱地所|コーポレートブランド|ブランドスローガン/ブランドステートメント

こちらも響きますね!

 

就活生から圧倒的な人気を誇るデベロッパー、しかし内定獲得への道のりはかなり険しいものとなっています。

がんばれ就活生!!

 

講談社

おもしろくて、ためになる

www.kodansha.co.jp

 

ランキング第48位、出版業界で圧倒的人気を誇る、講談社の紹介です!

 

出版社として有名な講談社ですが、書籍・雑誌以外にも、アニメ、映画、ドラマのようなコンテンツを手掛けています。

今なお変わらぬ『おもしろくて、ためになる』という企業メッセージには、扱う商品が変わっても揺るがない、講談社の信念が込められている気がします!

 

カゴメ

自然を、おいしく、楽しく。

www.kagome.co.jp

最後はランキング第58位野菜一日これ一本でお馴染みのカゴメです!

 

カゴメと言えば野菜!ですが、野菜を好きじゃない人は少なくないですよね。特に小さい子供は好き嫌いが多いですね。

 

そこでカゴメは子供に野菜を好きになってもらう、野菜嫌いの人でもおいしく手軽に野菜を摂取できるような、取り組みや商品開発を行っているようです。

ホームページでは野菜をおいしく調理するレシピを公開したり、子供に野菜を(おいしく)食べさせる親目線での記事が書かれています。

 

『自然を、おいしく、楽しく。』には、野菜をもっとおいしく、楽しく食べてほしいというカゴメのドストレートなメッセージが込められています!

敢えて野菜という単語を使わずに ”自然” 、としてるのがまた良いですね。

 

そしてこのコーポレートメッセージは、カゴメのサイト、ロゴにくどいくらい出てきます。カゴメの想いの強さが伺えますね(汗

 

ちなみに、昔の社名が「愛知トマト株式会社*4」というくらい、野菜、特にトマトには思い入れがある企業のようです!

 

おわりに

以上、独断と偏見マシマシ、フィーリング100%で選んだ企業メッセージ7選でした。

調べてみると全体的にBtoC企業の方が ”うまい” 気がします。

 

今回は採用メッセージは調査対象外です。

採用メッセージは年によって変わるところも少なくありませんが、こちらも企業の強い想いが見えるので非常に興味深いです!

興味がある方はこちらも見てみてください!

hcm-jinjer.com

 

また、今回は参考にしませんでしたが、「企業メッセージ調査」というものも存在します。

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(出所:企業名想起率は「お口の恋人」が14年連続首位獲得 トップ3争いに、発信期間47年の「コーヒーギフトはAGF」が初登場 | 日経BPコンサルティング

こちら、2014年のものですが、CMなどでよく聞くものばかりですね!

 

今回はこの辺で!それではまた次回!

新年のご挨拶

新年あけましておめでとうございます!

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新年のご挨拶が遅れ、また、2か月近くも更新をストップしてしまい大変申し訳ございません。

簡単に近況報告をしますと11月くらいから卒業論文に追われており、技術力の低さと計画性の無さ故に、スリリングで充実した研究室ライフを送っております。

また同じくらいの時期からインターンの方も精力的に活動し、1つ仕事を終えたら新しい仕事が3つ降ってくる、という感じで新しいことを勉強する毎日を過ごしています。

 

こんな感じでブログを更新する暇を作る気が起きなかった2か月弱です。

もう少し経ったら以前のようなペースで更新できるかと思います。

今後も引き続き経営工学の認知を第一目的としつつ、ちょっと役立つ知識のようなものを幅広く提供できるよう頑張ってまいります。

技術力も少しずつですが身についてきたので、面白いデータ分析事例なんかも紹介できたらなと思っております。

 

 

本年もどうぞよろしくお願い致します。

統計検定2級のすゝめ ~統計力を証明しよう~

この記事では統計検定2級の紹介を行います!

対策と勉強法をは別記事でがっつり紹介する予定です(執筆中)

 

 

統計検定とは

2011年に発足した、統計に関する知識や活用力を評価する全国統一試験が統計検定です。詳しくは公式HPを見てください!

統計検定とは|統計検定:Japan Statistical Society Certificate

さて、私は統計検定の中でも特に2級をお勧めします!その理由は、

だからです!

2級の上には準1級が存在しますが、年1回しか受験することが出来ませんし、初学者がいきなり挑戦するにはやや難しいです。

3級からの挑戦も良いですが、少し簡単すぎる印象を受けます。上述のCBT受験で1年中いつでも受験可能なので、スケジュールを調整して自分に合った勉強期間をある程度設け、いきなり2級に挑戦するのをお勧めします。

2級のレベルは「大学基礎統計学の知識と問題解決力」とありますが、恐れるなかれ、大学基礎統計学は簡単です。要点を抑えて勉強すればあっという間に合格できるのでご心配なく。

 

2級の内容

統計学の中でも主に大学1,2年次に学ぶ内容を扱います。

公式HPに試験の意図が書いてあります。

(1) 現状について問題を発見し,その解決のために収集したデータをもとに、

(2) 仮説の構築と検証を行える統計力と、

(3) 新知見獲得の契機を見出すという統計的問題解決力について試験します。

 

試験形式:4~5肢選択問題(マークシート

問題数:35問前後

時間:90分

合格水準:100点満点で70 点以上

 

難しい書き方がされてますが、要は基本的な統計知識を正しく使えるかの試験で、問題もそれに沿った易しい内容が中心です。複雑な計算などは殆どありません。

多くの設問が数回の四則演算と公式にぶち込む作業で解答でき、それらに答えることが出来れば合格点は取れます。

 

試験範囲はこちらに書いてあるので参照してください。

http://www.toukei-kentei.jp/wp-content/uploads/grade2_hani_170727.pdf

 受験はこちらから

www.toukei-kentei.jp

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あとがき

『Harvard Business Review』は、データサイエンティストを「21世紀で最もセクシーな職業」(The Sexiest Job of the 21st Century)と形容しています。

2000年の後半ごろから統計ブームに火が付き、その波はビジネスにも拡大していき、アメリカではデータサイエンティストの年収が高騰するなどの影響が現れました。

アメリカを追いかける形で日本でもセクシー人材争奪戦が過熱しています。

現にKKD(勘・経験・度胸)で意思決定が行われていそうな古き良き大企業も、年収1千万以上で求人を出しています。

新卒市場についても同様の事が言えて、データサイエンティストや統計的な視点で物事を考えられる学生は、新卒市場でも大きな存在感を放っています。

もし面接の場で「統計を勉強しています」と言ったならば、「君はなんてセクシーなんだ!是非ともうちに来てくれ!」と面接官に言われるかもしれません。

私自身の就職活動を振り返っても「統計できます」と言うと、非常に好感触なのは間違いありません。

 

さて、統計をテーマに研究している学生が「統計できます!」と言えば説得力はありますが、そうでない人が言った場合はすぐに信じてもらえるとも限りません。

統計が出来るして、レベルは?、と思われるかも。現に平均値と中央値の区別がつかないような人が「統計勉強しています」と言っているのを目撃したことがあります。

そんな時にあると便利なのが資格ですよね。資格は勉強を積んできた証明になります。

せっかく勉強するならば、それをアピールしてかつ信用してもらう為にも、統計検定2級に挑戦することをお勧めします!

 

今回はこの辺でお終いに!それではまた次回!

 

攻略!早稲田大学・理工学部の入試対策法~化学編~

この記事は受験生向けです。

 

早稲田3理工学部を目指す受験生に送る入試対策記事の第3弾は化学ですです。

第1弾は数学、第2弾は英語です。未読の方はこちらもあわせてどうぞ(数学の勉強法なども紹介しています)。

industrialengineering.hatenablog.com

industrialengineering.hatenablog.com

 

問題数が多く、素早い計算力を求められる早稲田大学の化学ですが、今回は得意科目選考:化学で合格した頼もしい助っ人(化学の鬼)に協力してもらっています!

得意科目選考とは、学科が指定する科目で特に優れた能力を示したと判定された受験生を総合点が合格点に達していなくても合格とする選考方法のことです。(出典:https://www.waseda.jp/inst/admission/undergraduate/system/general/

この記事で早稲田の化学で合格点を取るための力と技を身に付けましょう!

 

基本情報

早稲田大学の理系学部は、基幹・創造・先進に分かれています。

入学試験は基本的に、数学、英語、理科(2科目)で行われます。私立大学で理科2科目で受験しなければいけないのは、早稲田大学慶應義塾大学だけです。

理科2科目は物理・化学の組み合わせが基本ですが、以下の学科を受験する場合は「物理・化学・生物」から2科目選ぶことが出来ます。

  • 基幹・学系Ⅰ
  • 基幹・学系Ⅲ
  • 先進・応用化学(化学必須)
  • 先進・生命医科
  • 先進・電気情報生命工 

 では、入学試験問題の傾向とその対策について述べていきます。

 

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入試問題分析と入試対策

まずは入試問題について問題構成や出題傾向を分析します。その後に入試対策や勉強方法などに関して個人的見解を述べていきます。

なお、分析や対策については、駿台予備校や河合塾などの講評を参考にしています。

試験情報

試験時間:理科2科目で120分

問題構成:3題60点。1題は選択式の小問集合、2題が記述式。

入試分析

詳しくはこちらを読んでください。私の分析よりも駿台の方が(たぶん)信用できます。

www2.sundai.ac.jp

 

化学の試験で気を付ける事

まずは早稲田の数英語で抑えるべきポイントについて解説していきます。

物理・生物との時間配分

 理科の試験科目では「物理・化学・生物」の中から2科目(各60点、計120点満点)を120分で解かなければいけません。

単純計算で化学に割ける時間は60分ですが、もう1つの科目の得意不得意のバランス、その年の難易度を踏まえて臨機応変に時間配分を決めることが重要です。

化学は分量・計算量ともに多い問題が頻出であり、半分以上の時間をかける人も多くいます。

しかし1つひとつの問題の難易度はさほど高くありません。充分な量の問題演習を積んでいれば60分以内での高得点を狙うことが可能です。化学の点数をを60分以内で如何に高めることが出来るかが理科試験攻略の鍵とも言えるでしょう。

 

分量の多さと範囲の広さ

化学の特徴は大きく分けて2つ、分量の多さと範囲の広さです。

選択式の大問1の設問数は30(3問完答×10題)、記述式の大問2,3はそれぞれ10題ずつ、化学全体で50問前後の問題に答えなければいけません。

また、過去の試験を見ると化学全範囲から満遍なく出題されています。

1つひとつの設問は決して難しいわけではありませんが、沢山の問題を次々こなす高度な処理能力が要求されます。

その為に大切なのは、教科書と問題集を使い込み

  • 苦手分野・単元を残さない
  • 計算スピードと正確性を高める
  • 広範囲かつ正確な知識
  • 文章から必要な情報を見つける力を養う

ことが大切です。まずは典型問題に習熟しましょう。

他の私大のように、重箱の隅をつつくような問題は殆ど出題されません。

 

次からは出題範囲と出題形式にフォーカスし、テクニカルな話をしていこうと思います。

小問集合

毎年大問1に設定されている選択式の小問集合ですが、

回答数3つの問題数が10問、計算問題+知識、幅広い出題範囲、完答必須、、、

化学が得意でない人ほど点数が伸びにくい大問でもあります。

ポイントはさっさと終わらせること。

ここで出題されるのは基本的な問題・知識が主です。

理想は入試当日までに典型問題のスキを無くしておくことですが、本番で万が一解けない問題が出てきたら悩まずに後回しにすることをお勧めします。

とにかく時間最優先という意識を持ち、合否を大きく分ける大問2,3に割く時間を少しでも多く確保しましょう。

 

記述式

記述式である大問2,3は例年下記のような構成になっています。

  • 大問2:無機+理論の融合問題
  • 大問3:有機の総合問題

まずは気を付けるべきポイントとして記述式という出題形式が挙げられ、答えのみならずそこにたどり着くまでの筋道を簡潔に示す必要があります。記述式の良い点として部分点を得られる可能性がありますが、1問あたりの点数が非常に低いので早稲田の化学ではほとんど期待できません。答えを出すことに拘りましょう。

また、単語で答えるのではなく文章での解答を要求される問題も毎年出題されています。自分の知識を使って論理的に説明できる記述力も重要です。

記述解答は一夜漬けではどうにもならない部分なので、特に私大専願の受験生は過去問を活用し、記述式解答の型を覚えていきましょう。

 

大問2,3に関しても分量が多く出題範囲が広いのは変わりませんが、典型問題が設問の過半を占めていると感じます。ここで大きく点数を落としてしまうと化学での合格点獲得は絶望的ですので、確実にものにできるよう日頃の演習を積んでください。特に有機化学の構造決定は(一般的に)難しくないので、確実に点を取りたい設問です。

無機と有機が問題のメインテーマとなっている場合が多いですが、理論分野の力も必要不可欠です。高得点を狙う受験生ほど、まず土台となる理論分野の完成を目標に勉強してください。

 

勉強方法

最後に勉強法について解説していきます。

 

問題集の使い方

一通り教科書に目を通したらすぐに問題集に移りましょう。アウトプットをすることで理解が深まります。

問題集は難易度が異なるものを2~3冊用意するのが良です。

まずはセミナーなどの易しい問題集を利用し、知識や公式の使い方を学んでいきます。(同じようなレベルの問題集であれば何でも構いません)

 

次に重要問題集などの、典型問題+過去問を収録した問題集を利用し、実践的な力を養っていきましょう。このレベルの問題集での目標は、自分の知識を自由自在に扱えるようになることです。

 

早稲田の化学で合格点を取ることが目標ならば問題集はこの程度で構いません。ただし、この中に解けない問題がないくらいやり込むことが重要です。

先ほど述べたように苦手分野を残さないことが何よりも大切なので、教科書・易しめ問題集・応用問題集の3点セットを回し、スキのない勉強を行ってください。

 

化学で他科目の苦手をカバーしたいと考えている人は、もう1段高いレベルの問題集を使い8割り以上を狙うのも良いかもしれません。お勧めはこちらです。(卜部さん執筆の参考書はどれもお勧めできます)

 

資料集の使い方

資料集は視覚的に知識を獲得するのに効果的な本です。また、早稲田ではあまり使わないかもしれませんが、細かい知識の整理にも役立ちます。高校で教科書と合わせて配布されることが多いと思うので、活用していない人はぜひ使ってみてください。

 

また、資料集とは言えないかもしれませんが、超高校級の化学の知識を身に付けたいならばこちらの参考書で決まりです。ただし、よほど余裕のある受験生でなければ間違いなくオーバーワークになるのでうかつに手を出さないようにしましょう。 

 

過去問の使い方

出題傾向の把握、時間感覚を知る為に過去問演習は必要不可欠です。弱点分野の把握にも有効です。

重要問題集が8割程度完成してきたと感じたら過去問演習に移りましょう。

 

ただし過去問をやり過ぎるのは良くありません。1度出た問題が今年の入試で出るとは考えにくいです。過去問博士にならないように気を付けてください。

 

まとめ

この記事の要点を振り返ってみましょう。早稲田理工の化学入試で重要なのは、

  • 弱点分野を無くし、幅広い知識を身に付ける
  • 短時間で多くの問題に解答するための高い処理能力
  • 典型問題に習熟する
  • 記述形式への慣れ

です。そのほかにも勉強計画を立てたり、自分なりの戦略をもって試験に臨むのは、全ての入試に共通するポイントです。

受験勉強はつまらないかもしれませんが、目標に向けて努力するこの経験は必ず活きるはずです。頑張りましょう!